■記事構成について

 原文を文章ごとに分け、それぞれの文章を【韓国語原文】、【原文の直訳】、【現行の訳文】の3つに分けて記載しています。

 【現行の訳文】が直訳されていて変更箇所がない場合、【原文の直訳】を省略し、【原文の直訳】と【現行の訳文】が統合されて一つの文章になっています。

■み言の引用について

 『原理講論』の引用文は、2014年5月30日、光言社発行の第五版第一刷から引用したものです。また、聖句の引用は、日本聖書協会発行の『口語訳聖書』からの引用です。

 『口語訳聖書』は原語(旧約聖書はヘブライ語、新約聖書はギリシャ語)から翻訳し、欧米の各言語(特に英語)を参考として訳されているため、『口語訳聖書』からの引用箇所は、韓国語の聖句の直訳になっていないことに留意してください。

■韓国語辞書について

 翻訳するさいに基準としている韓国語辞書は、小学館の『韓日辞典』(旧『朝鮮語辞典』)です。『韓日辞典』にない場合は、こちらのNAVER「국어사전(国語辞典)」を使います。

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■本文‐堕落論 第二節 堕落の動機と経路

144
【韓国語原文】
제 2 절 타락의 동기와 경로
【原文の直訳】
第二節 堕落の動機と経路
【現行の訳文】

145
【韓国語原文】
우리는 이미 제1절에서 뱀은 곧 해와를 타락시킨 천사(天使)를 비유한 것이라는 사실을 밝혔다.
【原文の直訳】
我々は既に、第一節において、蛇はすなわちエバを堕落させた天使を比喩したものであるという事実を明らかにした。
【現行の訳文】
我々は既に、第一節において、蛇はまさしくエバを堕落させた天使を比喩したものであるということを明らかにした。

146
【韓国語原文】
이처럼 인간의 타락(墮落)된 동기가 천사에게 있었으므로, 그 타락의 동기와 경로를 알려면 먼저 천사에 관한 것을 알지 않으면 안 된다.
【原文の直訳】
このように、人間の堕落した動機が天使にあったから、その堕落の動機と経路を知ろうとすれば、まず、天使に関することを知らなければならない。
【現行の訳文】
このように、人間の堕落した動機は天使にあったから、その堕落の動機と経路を知るためには、まず、天使とは何かということを知らなければならない。

㈠天使の創造とその使命および人間との関係

147
【韓国語原文】
Ⅰ.천사의 창조와 그의 사명 및 그와 인간과의 관계
【原文の直訳】
㈠天使の創造とその使命およびそれと人間との関係
【現行の訳文】
㈠天使の創造とその使命および人間との関係

148
【韓国語原文】
모든 존재는 하나님에 의하여 창조되었다.
【原文の直訳】
すべての存在は神によって創造された。
【現行の訳文】

149
【韓国語原文】
따라서 천사(天使)도 하나님이 창조하신 피조물(被造物)이 아닐 수 없는 것이다.
【原文の直訳】
したがって天使も、神が創造し給うた被造物に違いないのである。
【現行の訳文】
したがって当然天使もまた、神が創造し給うた被造物であることはいうまでもない。

150
【韓国語原文】
하나님은 천사세계를 다른 어떤 피조물보다도 먼저 창조하셨다.
【原文の直訳】
神は天使世界を他のどの被造物よりも先に創造された。
【現行の訳文】

151
【韓国語原文】
창세기 1장 26절에 씌어 있는 천지창조(天地創造)의 기록을 보면, 하나님은 우리의 형상을 따라 우리의 모양대로 우리가 사람을 만들고라고 스스로를 복수(複數)로 부르셨는데, 이것은 지금까지의 많은 신학자들의 해석대로 삼위신(三位神)의 입장이었기 때문에 그렇게 말씀하신 것이 아니고, 인간보다도 먼저 창조되어 있었던 천사들을 놓고 그들을 포함시킨 입장에서 하신 말씀이었음을 알아야 한다.
【原文の直訳】
創世記一章26節に書かれている天地創造の記録を見ると、神は「われわれのかたちに、われわれにかたどって人を造り」と、自らを複数で呼ばれたのであるが、これは今日までの多くの神学者たちの解釈のように、三位神の立場だったためにそのように言われたのではなく、人間よりも先に創造されていた天使たちについて、それらを含めた立場から言われたみ言であったことを知らなければならない。
【現行の訳文】
創世記一章26節に書かれている天地創造の記録を見ると、神は「われわれのかたちに、われわれにかたどって人を造り」と、自らを複数をもって語っておられるのであるが、これは今日まで多くの神学者たちが解釈してきたような三位神の立場から、そのように言われたのではなく、人間よりも先に創造されていた天使たちを考慮において、それらを含めた立場から言われたみ言であったことを知らなければならない。

152
【韓国語原文】
하나님은 피조세계(被造世界)의 창조와 그의 경륜(經綸)을 위하여 먼저 천사를 사환(使喚) 으로 창조하셨다(히 1 : 14).
【原文の直訳】
神は被造世界の創造と、その経綸のために、先に天使を使いとして創造された(ヘブル一・14)。
【現行の訳文】

153
【韓国語原文】
천사는 아브라함에게 하나님의 중대한 축복의 말씀을 전하였고(창 18 : 10), 그리스도의 잉태에 관한 소식을 전하였으며(마 1 : 20, 눅 1 : 31), 옥중에서 쇠사슬에 묶여 있는 베드로를 풀어 성 밖으로 인도하였던 것이다(행 12 : 7∼10).
【原文の直訳】
天使はアブラハムに神の重大な祝福のみ言を伝えたのであり(創一八・10)、キリストの受胎に関する消息を伝えたり(マタイ一・20、ルカ一・31)、獄中で鎖につながれていたペテロを解いて、城外に導いたのである(使徒一二・7─10)。
【現行の訳文】

154
【韓国語原文】
이밖에도 하나님의 뜻을 위하여 천사가 활동한 예는 성서에서 무수히 찾아볼 수 있다.
【原文の直訳】
このほかにも、神のみ旨のために天使が活動した例は、聖書で無数に探しだすことができる。
【現行の訳文】
このほかにも、神のみ旨のために天使が活動している例は、聖書の中に、無数に探しだすことができる。

155
【韓国語原文】
그러므로 요한계시록 22장 9절에는 천사가 자기 자신을 ‘종’이라고 하였고, 또 히브리서 1장 14절에는 천사를 ‘부리는 영(靈)’이라고 기록하여 놓았다.
【原文の直訳】
それゆえに、ヨハネの黙示録二二章9節には、天使が自分自身を「僕」と言い、またヘブル書一章14節には、天使を「仕える霊」と記録しているのである。
【現行の訳文】
それゆえに、黙示録二二章9節では、天使が自分自身を「僕」と言い、またヘブル書一章14節においては、天使を「仕える霊」と記録しているのである。

156
【韓国語原文】
그리고 천사는 하나님에게 송영(誦詠)을 드리는 존재로서 창조되었다는 증거를 성서 가운데서 많이 찾아볼 수 있는 것이다(계 5 : 11, 계 7 : 11).
【原文の直訳】
そして、天使は神に頌栄をささげる存在として創造されたという証拠を、聖書の中に数多く見いだすことができる(黙五・11、黙七・11)。
【現行の訳文】
そしてまた、天使は神に頌栄をささげる存在として創造されていたという証拠も、聖書の中に数多く見いだすことができる(黙五・11、黙七・11)。

157
【韓国語原文】
다음에는 천사와 인간과의 창조원리적 관계를 알아보자.
【原文の直訳】
つぎには、天使と人間との創造原理的関係を探ってみることにしよう。
【現行の訳文】
つぎに、我々は天使と人間との創造原理的関係を探ってみることにしよう。

158
【韓国語原文】
하나님은 인간을 자녀로 창조하시고 피조세계에 대한 주관권(主管權)을 부여하셨기 때문에(창 1 : 28), 인간은 천사도 주관하게 되어 있는 것이다.
【原文の直訳】
神は、人間を子女として創造され、被造世界に対する主管権を賦与されたため(創一・28)、人間は天使も主管するようになっているのである。
【現行の訳文】
神は、人間を子女として創造され、被造世界に対する主管権を賦与された(創一・28)。ゆえに、人間は天使さえも主管するようにつくられているのである。

159
【韓国語原文】
고린도전서 6장 3절을 보면, 인간에게는 천사를 심판할 수 있는 권한이 있다고 하였다.
【原文の直訳】
コリントⅠ六章3節を見れば、人間には天使を審判できる権限があるとある。
【現行の訳文】
コリントⅠ六章3節を見れば、人間は天使さえも審判できる権限があると書かれている。

160
【韓国語原文】
그리고 영계(靈界)를 통하는 모든 사람들은 수많은 천사들이 낙원(樂園)에 있는 성도들을 옹위하고 있는 것을 보게 되는데, 이것도 역시 천사의 인간에 대한 시종적(侍從的)인 관계를 말해 주는 하나의 좋은 예라 하겠다.
【原文の直訳】
そして、霊的に通ずるあらゆる人たちは、数多くの天使たちが、楽園にいる聖徒たちを擁護しているのを見るようになるのであるが、これもやはり、天使の人間に対する侍従的な関係を示してくれる一つの良い例であるといえよう。
【現行の訳文】
そして、霊的に通ずるあらゆる人たちは、数多くの天使たちが、楽園にいる聖徒たちを擁護しているのを見るのであるが、これもまた、天使の人間に対する主従関係を説明する一つの良い例であるといえよう。

㈡霊的堕落と肉的堕落

161
【韓国語原文】
Ⅱ.영적 타락과 육적 타락
【原文の直訳】
㈡霊的堕落と肉的堕落
【現行の訳文】

162
【韓国語原文】
하나님은 영적인 부분과 육적인 부분으로써 인간을 창조(創造)하셨기 때문에, 타락에 있어서도 영육(靈肉) 양면의 타락(墮落)이 성립된 것이다.
【原文の直訳】
神は霊的な部分と肉的な部分をもって、人間を創造されたがゆえに、堕落においても霊肉両面の堕落が成立したのである。
【現行の訳文】
神は霊的部分と肉的部分をもって、人間を創造されたがゆえに、堕落においても霊肉両面の堕落が成立した。

163
【韓国語原文】
천사와 해와와의 혈연관계(血緣關係)에 의한 타락이 영적 타락이고, 해와와 아담과의 혈연관계에 의한 타락이 육적 타락인 것이다.
【原文の直訳】
天使とエバとの血縁関係による堕落が霊的堕落であり、エバとアダムとの血縁関係による堕落が肉的堕落である。
【現行の訳文】

164
【韓国語原文】
그러면 천사(天使)와 인간과의 사이에 어떻게 성적(性的)인 관계가 성립될 수 있을 것인가? 인간과 영물(靈物)과의 사이에서 느끼는 모든 감성은 어떠한 점에서나 실체적인 존재 사이에서 느끼는 그 감성과 조금도 다름이 없다.
【原文の直訳】
それでは、天使と人間との間に、いかにして性的な関係が成立し得るのであろうか。人間と霊物との間で感じるあらゆる感性は、いかなる点においても、実体的な存在の間で感じるその感性と、少しも異なるところがない。
【現行の訳文】
では、天使と人間との間に、いかにして性的関係が成立するのであろうか。人間と霊的存在との間における感性は、いかなる点においても、実体的な存在の間における感性と、少しも異なるところがない。

165
【韓国語原文】
그러므로 인간과 천사와의 성적 타락은 사실상 가능한 것이다.
【原文の直訳】
したがって、人間と天使との性的堕落は事実上可能なのである。
【現行の訳文】

166
【韓国語原文】
한편 우리는 다음과 같은 사실을 통하여서도 위에서 말한 내용을 더욱 확실하게 이해할 수 있게 된다.
【原文の直訳】
一方我々は、次のような事実を通しても、前に述べた内容をより確実に理解することができるようになる。
【現行の訳文】
なお我々は、次のような事実を通しても、前に述べた内容をより確実に理解することができる。

167
【韓国語原文】
즉 인간사회에 있어서 지상인간들이 영인(靈人)들과 결혼생활을 하는 예가 왕왕 있다는 것, 그리고 천사(天使)가 야곱과 씨름을 하여서 그의 환도뼈를 부러뜨렸다는 예(창 32 : 25)와 함께, 천사가 아브라함의 가정에 나타나 고기를 먹었다는 사실(창 18 : 8)과, 또 롯의 집에 찾아온 두 천사가 롯이 대접한 무교병(無酵餠)을 먹었을 뿐 아니라, 그 성 백성들이 그 천사를 보고 색정(色情)을 일으키어 롯의 집을 둘러싸고 이 저녁에 네게 온 사람이 어디 있느냐 이끌어 내라 우리가 그들을 상관하리라(창 19 : 5)고 외친 사실 등은 모두 이에 속한 예들인 것이다.
【原文の直訳】
すなわち、人間社会において、地上人間たちが、霊人たちと結婚生活をする例がしばしばあるということ、そして、天使がヤコブと組打ちをして、そのもものつがいを外したという例(創三二・25)と共に、天使がアブラハムの家庭に現れて肉を食べたという事実(創一八・8)と、また、ロトの家に訪ねてきた二人の天使が、ロトがふるまった「種いれぬパン」を食べただけでなく、その城の民たちが、天使たちを見て色情を起こし、ロトの家を取り囲んで、「今夜おまえの所に来た人々はどこにいるか。それをここに出しなさい。われわれは彼らを知るであろう」(創一九・1─5)と叫んだ事実などは、みなこれに属する例である。
【現行の訳文】
すなわち、人間社会において、地上人間たちが、霊人たちとしばしば結婚生活をする例があるということ、そして、天使がヤコブと角力をして、そのもものつがいを外したという例と共に(創三二・25)、また、天使がアブラハムの家庭に現れて肉を食べたという事実(創一八・8)、また、ロトの家に訪ねてきた二人の天使が、彼の準備した「種いれぬパン」を食べただけでなく、その町の民たちが、天使たちを見て色情を起こし、ロトの家を取り囲んで、「今夜おまえの所に来た人々はどこにいるか。それをここに出しなさい。われわれは彼らを知るであろう」(創一九・1─5)と叫んだ事実などは、みなこれに属する例である。

⑴霊的堕落

168
【韓国語原文】
1.영적 타락
【原文の直訳】
⑴霊的堕落
【現行の訳文】

169
【韓国語原文】
하나님은 천사세계(天使世界)를 창조하시고(창 1 : 26), 누시엘(啓明星이란 뜻, 사 14 : 12)을 천사장(天使長)의 위(位)에 세우셨다.
【原文の直訳】
神は天使世界を創造され(創一・26)、ルーシェル(明けの明星という意味、イザヤ一四・12)を天使長の位に立てられた。
【現行の訳文】
神は天使世界を創造されてから(創一・26)、ルーシェル(明けの明星という意、イザヤ一四・12)に天使長の位を与えられた。

170
【韓国語原文】
그렇기 때문에 마치 아브라함이 이스라엘의 복(福)의 기관이 되었던 것같이 누시엘은 천사세계의 사랑의 기관이 되어 하나님의 사랑을 독점하는 것과 같은 위치에 있었던 것이다.
【原文の直訳】
それゆえに、あたかもアブラハムがイスラエルの祝福の基となったように、ルーシェルは天使世界の愛の基となり、神の愛を独占するような位置にいたのである。
【現行の訳文】
それゆえに、あたかもアブラハムがイスラエルの祝福の基となったように、ルーシェルは天使世界の愛の基となり、神の愛を独占するかのような位置にいたのであった。

171
【韓国語原文】
그러나 하나님이 그의 자녀로서 인간을 창조하신 후에는 종으로 창조된 누시엘보다도 그들을 훨씬 더 사랑하시었다.
【原文の直訳】
しかし、神がその子女として人間を創造されたのちには、僕として創造されたルーシェルよりも、彼らをより一層愛されたのである。
【現行の訳文】
しかし、神がその子女として人間を創造されたのちは、僕として創造されたルーシェルよりも、彼らをより一層愛されたのである。

172
【韓国語原文】
사실상 누시엘은 인간이 창조(創造)되기 전이나 후나 조금도 다름없는 사랑을 하나님으로부터 받고 있었지만, 하나님이 자기보다도 아담과 해와를 더 사랑하시는 것을 볼 때에 그는 사랑에 대한 일종의 감소감(減少感)을 느끼게 되었던 것이다.
【原文の直訳】
事実上、ルーシェルは、人間が創造される前も後も、少しも変わりのない愛を神から受けていたのであるが、神が自分よりもアダムとエバをより一層愛されるのを見たときに、彼は愛に対する一種の減少感を感ずるようになったのである。
【現行の訳文】
事実上、ルーシェルは、人間が創造される以前においても、以後においても、少しも変わりのない愛を神から受けていたのであるが、神が自分よりもアダムとエバをより一層愛されるのを見たとき、愛に対する一種の減少感を感ずるようになったのである。

173
【韓国語原文】
이것은 마치 아침부터 노동을 한 일꾼이 자기대로의 상당한 노임(勞賃)을 다 받았음에도 불구하고, 늦게 와서 적게 일한 일꾼도 자기와 똑같은 노임을 받는 것을 볼 때에 자기가 받는 노임에 대한 감소감을 느꼈다고 하는 성서(聖書)의 예화(마 20 : 1∼15)와 같은 입장인 것이다.
【原文の直訳】
これは、ちょうど、朝から働いた労働者が、自分に見合った労賃を全部受けとったにもかかわらず、遅く来て少し働いた労働者も自分と同じ労賃を受けとるのを見るときに、自分が受けた労賃に対する減少感を感じたという聖書の例え話(マタイ二〇・1─15)と同じ立場なのである。
【現行の訳文】
これは、ちょうど、朝から働いた労働者が、自分が働いただけに相当する労賃を全部受けとったにもかかわらず、遅く来て少し働いた労働者も自分と同じ労賃を受けとるのを見て、自分が受けた労賃に対する減少感を感じたという聖書の例え話(マタイ二〇・1─15)と同じ立場であったということができる。

174
【韓国語原文】
이러한 입장에서 사랑의 감소감을 느끼게 된 누시엘은, 자기가 천사세계에서 가졌던 사랑의 위치와 동일한 것을 인간세계에 대하여서도 그대로 가져 보고자 해와를 유인하게 되었던 것이니, 이것이 곧 영적 타락(靈的 墮落)의 동기였다.
【原文の直訳】
このような立場で愛の減少感を感ずるようになったルーシェルは、自分が天使世界において所有していた愛の位置と同一のものを、人間世界に対してもそのままもとうとエバを誘惑するようになったのであるが、これがすなわち、霊的堕落の動機であった。
【現行の訳文】
このような立場で愛の減少感を感ずるようになったルーシェルは、自分が天使世界において占めていた愛の位置と同一の位置を、人間世界に対してもそのまま保ちたいというところから、エバを誘惑するようになったのである。これがすなわち、霊的堕落の動機であった。

175
【韓国語原文】
피조세계(被造世界)는 하나님의 사랑의 주관을 받도록 창조되었다.
【原文の直訳】
被造世界は、神の愛の主管を受けるように創造された。
【現行の訳文】
被造世界は、そもそも、神の愛の主管を受けるように創造されている。

176
【韓国語原文】
따라서 사랑은 피조물의 생명의 근본이요, 행복과 이상(理想)의 요소가 된다.
【原文の直訳】
したがって、愛は被造物の命の根本であり、幸福と理想の要素となるのである。
【現行の訳文】

177
【韓国語原文】
그러므로 이 사랑을 많이 받는 존재일수록 더 아름답게 보이는 것이다.
【原文の直訳】
それゆえに、この愛を多く受ける存在であるほど、より一層美しく見えるのである。
【現行の訳文】
それゆえに、この愛をより多く受ける存在であればあるほど、より一層美しく見えるのである。

178
【韓国語原文】
따라서 하나님의 종으로 창조된 천사(天使)가 하나님의 자녀로 창조된 해와를 대할 때, 그가 아름답게 보였던 것은 당연한 일이었다.
【原文の直訳】
ゆえに神の僕として創造された天使が、神の子女として創造されたエバに対するとき、彼女が美しく見えたのは当然のことであった。
【現行の訳文】
ゆえに神の僕として創造された天使が、神の子女として創造されたエバに対したとき、彼女が美しく見えたというのも当然のことであった。

179
【韓国語原文】
더구나 해와가 누시엘의 유혹에 끌려오는 빛을 보였을 때, 그는 해와로부터 말할 수 없는 사랑의 자극을 받게 되었던 것이다.
【原文の直訳】
その上、エバがルーシェルの誘惑に引かれてくる気配を見せたとき、彼はエバから途方もない愛の刺激を受けるようになったのである。
【現行の訳文】
ましてやエバがルーシェルの誘惑に引かれてくる気配が見えたとき、ルーシェルはエバから一層強い愛の刺激を受けるようになったのである。

180
【韓国語原文】
이렇게 되자 누시엘은 죽음을 무릅쓰고 더욱 해와를 유인하게 되었다.
【原文の直訳】
こうなると、ルーシェルは死を顧みず、いっそうエバを誘惑するようになった。
【現行の訳文】
こうなるともう矢も盾もたまらず、ルーシェルは死を覚悟してまで、より深くエバを誘惑するようになった。

181
【韓国語原文】
이와 같이 사랑에 대한 과분한 욕망으로 인하여 자기의 위치를 떠난 누시엘과, 하나님과 같이 눈이 밝아지려고 때 아닌 때에 때의 것을 바란 해와가(창 3 : 5∼6) 서로 상대기준(相對基準)을 조성하여 수수작용(授受作用)을 하게 되었으므로, 그로 인한 비원리적인 사랑의 힘은 그들로 하여금 불륜(不倫)한 영적인 정조관계(貞操關係)를 맺게 하였던 것이다.
【原文の直訳】
このように、愛に対する過分の欲望によって自己の位置を離れたルーシェルと、神のように目が開くことを望み、時ならぬ時に、時のものを願ったエバが(創三・5、6)、互いに相対基準を造成し、授受作用をするようになったため、それによる非原理的な愛の力は、彼らをして不倫なる霊的な性関係を結ぶようにしたのである。
【現行の訳文】
このようにして、愛に対する過分の欲望によって自己の位置を離れたルーシェルと、神のように目が開けることを望み、時ならぬ時に、時のものを願ったエバとが(創三・5、6)、互いに相対基準をつくり、授受作用をするようになったため、それによる非原理的な愛の力は、彼らをして不倫なる霊的性関係を結ぶに至らしめてしまったのである。

182
【韓国語原文】
사랑으로 일체를 이루면 서로 그 대상으로부터 그의 요소를 받도록 창조된 원리에 의하여 (창 3 : 7), 해와는 누시엘과 사랑으로써 일체를 이루었을 때 누시엘의 요소를 받았던 것이다.
【原文の直訳】
愛によって一体をなせば、互いにその対象からその要素を受けるように創造された原理によって(創三・7)、エバはルーシェルと愛によって一体をなしたとき、ルーシェルの要素を受けたのであった。
【現行の訳文】
愛によって一体となれば、互いにその対象から先方の要素を受けるように創造された原理によって(創三・7)、エバはルーシェルと愛によって一体となったとき、ルーシェルの要素をそのまま受け継いだのであった。

183
【韓国語原文】
즉 첫째로 그는 누시엘로부터 창조목적(創造目的)에 대한 배치(背馳)로 말미암은 양심의 가책에서 오는 공포심을 받았고, 둘째로는 자기가 본래 대해야 할 창조본연(創造本然)의 부부로서의 상대자는 천사가 아니고 아담이었다는 사실을 감득할 수 있는 새로운 지혜를 그에게서 받게 되었던 것이다.
【原文の直訳】
すなわち、第一に、彼女はルーシェルから、創造目的に対する背馳による良心の呵責からくる恐怖心を受けたのであり、第二には、自分が本来対すべき創造本然の夫婦としての相対者は天使ではなく、アダムだったという事実を感得することのできる新しい知恵を、彼から受けるようになったのである。
【現行の訳文】
すなわち、第一に、エバはルーシェルから、創造目的に背いたということに対する良心の呵責からくる恐怖心を受けたのであり、第二には、自分が本来対すべき創造本然の夫婦としての相対者は天使ではなく、アダムだったという事実を感得することのできる新しい知恵を、ルーシェルから受けるようになったのである。

184
【韓国語原文】
당시 해와는 아직도 미완성기(未完成期)에 있었다.
【原文の直訳】
当時、エバはいまだ未完成期にいた。
【現行の訳文】
当時、エバはまだ未完成期にいたのであった。

185
【韓国語原文】
따라서 그 자체로서는 이미 완성기(完成期)에 처해 있었던 천사장(天使長)에 비하여 지혜가 성숙하지 못하였기 때문에, 그는 천사장으로부터 그 지혜를 받게 되었던 것이다.
【原文の直訳】
したがって、彼女自体としては、既に完成期にあった天使長に比べて、知恵が成熟していなかったために、彼女は天使長からその知恵を受けるようになったのである。
【現行の訳文】
したがって、そのときの彼女自体は、既に完成期にあった天使長に比べて、知恵が成熟していなかったために、彼女は天使長からその知恵を受けるようになったのである。

⑵肉的堕落

186
【韓国語原文】
2.육적 타락
【原文の直訳】
⑵肉的堕落
【現行の訳文】

187
【韓国語原文】
아담과 해와는 완성하여서 하나님을 중심하고 영원한 부부를 이루어야 할 것이었다.
【原文の直訳】
アダムとエバは、完成して、神を中心として永遠の夫婦になるべきであった。
【現行の訳文】
アダムとエバは、共に完成して、神を中心とする永遠の夫婦となるべきであった。

188
【韓国語原文】
그런데 해와가 미완성기에서 천사장(天使長)과 불륜(不倫)한 혈연관계(血緣關係)를 맺은 후, 다시 뒤미처 아담과 부부의 관계를 맺었기 때문에 아담도 역시 미완성기에서 타락되었다.
【原文の直訳】
ところが、エバが未完成期において、天使長と不倫なる血縁関係を結んだのち、すぐさま再びアダムと夫婦の関係を結んだためにアダムもまた未完成期で堕落したのである。
【現行の訳文】
ところが、エバが未完成期において、天使長と不倫なる血縁関係を結んだのち、再びアダムと夫婦の関係を結んだためにアダムもまた未完成期に堕落してしまったのである。

189
【韓国語原文】
이렇게 때 아닌 때에 사탄을 중심삼고 아담과 해와 사이에 이루어진 부부관계는 그대로 육적 타락(肉的 墮落)이 되고 말았던 것이다.
【原文の直訳】
このように、時ならぬ時にサタンを中心としてアダムとエバの間に成立した夫婦関係は、そのまま肉的堕落となってしまったのである。
【現行の訳文】
このように、時ならぬ時にサタンを中心としてアダムとエバとの間に結ばれた夫婦関係は、そのまま肉的堕落となってしまったのである。

190
【韓国語原文】
위에서 언급한 바와 같이 해와는 천사장과의 영적인 타락에서, 양심의 가책으로부터 온 공포심과 자기의 원리적인 상대가 천사장이 아니고 아담이라는 것을 깨닫게 된 새로운 지혜를 얻게 되었던 것이다.
【原文の直訳】
既に言及したように、エバは天使長との霊的な堕落で、良心の呵責からきた恐怖心と、自分の原理的な相対が天使長ではなくアダムであるということを悟るようになった新しい知恵を受けるようになったのである。
【現行の訳文】
既に述べたように、エバは天使長との霊的な堕落で、良心の呵責からくる恐怖心と、自分の原理的な相対者が天使長ではなくアダムであるということを悟る、新しい知恵とを受けるようになったのである。

191
【韓国語原文】
여기에서 해와는 그제서나마 자기의 원리적 상대인 아담과 일체를 이룸으로써 하나님 앞에 다시 서고, 또 타락으로 인하여 오게 된 공포심을 면할 수 있기를 바라는 마음에서 아담을 유인하게 되었으니, 이것이 육적 타락의 동기가 되었던 것이다.
【原文の直訳】
ここにおいて、エバは、今からでも自分の原理的相対であるアダムと一体をなすことにより、神の前に再び立ち、また堕落によって生じるようになった恐怖心を免れることを願う思いから、アダムを誘惑するようになったのであるが、これが肉的堕落の動機となったのである。
【現行の訳文】
ここにおいて、エバは、今からでも自分の原理的な相対者であるアダムと一体となることにより、再び神の前に立ち、堕落によって生じてきた恐怖心から逃れたいと願うその思いから、アダムを誘惑するようになった。これが、肉的堕落の動機となったのである。

192
【韓国語原文】
이때에 불륜한 정조관계(貞操關係)에 의하여 천사장과 일체를 이루었던 해와는 아담에 대하여 천사장의 입장에 서게 되었던 것이다.
【原文の直訳】
このときに、不倫なる性関係によって天使長と一体をなしたエバは、アダムに対して、天使長の立場に立つようになった。
【現行の訳文】
このとき、不倫なる性関係によって天使長と一体となったエバは、アダムに対して、天使長の立場に立つようになった。

193
【韓国語原文】
따라서 하나님이 사랑하시는 아담은 해와의 눈에 매우 아름답게 보여졌다.
【原文の直訳】
したがって、神が愛されるアダムは、エバの目に非常に美しく見えたのである。
【現行の訳文】
したがって、神が愛するアダムは、エバの目には非常に美しく見えたのである。

194
【韓国語原文】
그리하여 해와에게 있어 아담은, 그로 말미암아서만 하나님 앞으로 돌아갈 수 있는 유일한 소망의 대상이었던 것이다.
【原文の直訳】
そして、エバにとってアダムは、彼によってのみ神の前に戻ることのできる唯一の希望の対象であった。
【現行の訳文】
また、今やエバは、アダムを通してしか神の前に出ることのできない立場にあったから、エバにとってアダムは、再び神の前に戻る望みを託し得る唯一の希望の対象であった。

195
【韓国語原文】
그래서 해와는 자기를 유혹하였던 천사장과 똑같은 입장에서 아담을 유혹하였다.
【原文の直訳】
それでエバは自分を誘惑した天使長と同じ立場で、アダムを誘惑したのである。
【現行の訳文】
だからこそエバは自分を誘惑した天使長と同じ立場で、アダムを誘惑したのである。

196
【韓国語原文】
아담이 누시엘과 같은 입장에 서 있었던 해와와 상대기준을 조성하여 수수작용(授受作用)을 함으로써 일어났던 비원리적인 사랑의 힘은, 아담으로 하여금 창조본연(創造本然)의 위치를 떠나게 하여, 마침내 그들은 육적인 불륜한 정조관계를 맺게 되었던 것이다.
【原文の直訳】
アダムがルーシェルと同じ立場に立っていたエバと相対基準を造成し、授受作用をすることによって生じた非原理的な愛の力は、アダムをして、創造本然の位置を離れるようにさせ、ついに彼らは不倫なる肉的な性関係を結ぶようになったのである。
【現行の訳文】
アダムがルーシェルと同じ立場に立っていたエバと相対基準を造成し、授受作用をすることによって生じた非原理的な愛の力は、アダムをして、創造本然の位置より離脱せしめ、ついに彼らは肉的に不倫なる性関係を結ぶに至ったのである。

197
【韓国語原文】
아담은 해와와 일체를 이룸으로써 해와가 누시엘로부터 받았던 모든 요소를 그대로 이어받게 되었다.
【原文の直訳】
アダムは、エバと一体をなすことによって、エバがルーシェルから受けていたすべての要素を、そのまま受け継ぐようになった。
【現行の訳文】
アダムは、エバと一体となることによって、エバがルーシェルから受けたすべての要素を、そのまま受け継ぐようになったのである。

198
【韓国語原文】
그리고 이 요소는 다시 그 후손에게로 연면히 유전되어 내려온 것이다.
【原文の直訳】
そして、この要素は、再びその後の子孫に連綿と遺伝されてきたのである。
【現行の訳文】
そのようにして、この要素はその子孫に綿々と遺伝されるようになった。

199
【韓国語原文】
해와는 타락되었다 할지라도 만일 아담이 타락된 해와를 상대하지 않고 완성되었더라면, 완성한 주체(主體)가 그대로 남아 있기 때문에 그 대상(對象)인 해와 하나에 대한 복귀섭리(復歸攝理)는 대단히 용이했을 것이었다.
【原文の直訳】
エバは堕落したとしても、もしアダムが、堕落したエバに相対しないで完成したなら、完成した主体が、そのまま残っているがゆえに、その対象であるエバ一人に対する復帰摂理は、ごく容易だったのである。
【現行の訳文】
エバが堕落したとしても、もしアダムが、罪を犯したエバを相手にしないで完成したなら、完成した主体が、そのまま残っているがゆえに、その対象であるエバに対する復帰摂理は、ごく容易であったはずである。

200
【韓国語原文】
그러나 아담마저 타락하였기 때문에 사탄의 혈통을 계승한 인류가 오늘날까지 번식하여 내려온 것이다.
【原文の直訳】
しかし、アダムまで堕落したので、サタンの血統を継承した人類が、今日まで生み殖えてきたのである。
【現行の訳文】
しかし、アダムまで堕落してしまったので、サタンの血統を継承した人類が、今日まで生み殖えてきたのである。

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