【今回深掘りする原理のみ言】
 神の創造目的である四位基台は、神、アダムとエバ、そして子女の繁殖という三段階の過程を通じて、初めて完成するようになる。
 四位基台を造成して円形運動をするには、必ず正分合の三段階の作用を経て、三対象目的をつくり、三点を通過しなければならない。ゆえに、一つの物体が定着するには、最少限三点で支持されなければならない。
 またこのように、すべての被造物が完成するに当たっても、その成長期間は、蘇生期、長成期、完成期の秩序的三段階を通じてのみ完成するようになる。(『原理講論』p77)

 

「三度目の正直」ということわざがありますが、「統一原理」によると、これは秩序的三段階の原理を現実生活の中で探しだしたものです。(『原理講論』p439)

今回は、「統一原理」全体を貫く三段階原則と三数存在の原則について深掘りしてみたいと思います。

「統一原理」の三段階原則

(1)三段階原則とは?

『原理講論』のp416に、「創造原理によれば、人間は正分合の三段階の過程を経て、四位基台をつくって初めて、神の創造目的を成就するようになっている」とあります。

このように「統一原理」では、ある目的を達成するまでに三段階の過程を経ていく原則があるとしています。

例えば、第二祝福の家庭的四位基台の場合、神様を中心とする一つの家庭は、「正分合作用によって、神、夫婦、子女の三段階をもって完成される」(『原理講論』p55)ようになっています。

そして、文鮮明先生は、神様の創造過程も三段階であることを次のように説明されています。

神様御自身の創造過程を中心として見てみると、三段階の原則があります。まず神様の思い(願望)があり、その次に心を通してその考えを表現し、その次にその実現が展開します。そのような三段階を経て創造物が形成されたのです。(『文鮮明先生御言選集』60-260 1972.8.18)

 

私たちの日常生活でも、まず構想を立て、それを文章や図式にして計画書や設計図を作成し、その計画どおりに実行するという三段階の過程を経ていくようになっています。

(2)三段階原則の原理的根拠

それでは、なぜこのような原則があるのか、その原理的な根拠となる箇所を『原理講論』から引用してみましょう。

 被造世界は神の本性相と本形状とが数理的な原則によって、実体的に展開されたものである。ここにおいて我々は、神は数理性をもっておられるということを推測できる。
 またさらに、神は絶対者でありながら、相対的な二性性相の中和的存在であられるので、三数的な存在である。したがって、唯一なる神に似た被造物(創一・27)はその存在様相やその運動、さらにまたその成長期間がみな三数過程を通じて現れるようになる。(『原理講論』p77)

 

神様が数理(数的原理)性をもっておられ、絶対、相対、中和の三数的存在でいらっしゃることから、被造物も三段階の成長期間を経て四位基台を完成するようになっているということです。

(3)三段階原則と真の家庭理想

このような三段階原則は、神様を中心とする家庭にも適用されるのですが、このことについて説明された文鮮明先生のみ言を見てみましょう。

 神様が一代ならアダムは二代、そしてアダムの子女は三代目になります。皆さんの家庭を見れば、祖父母は神様を代身する立場で一代となり、父母は二代となり、子女は三代になるのです。祖父母が過去を代表する王と王妃であれば、父母は、現世界を代表する王と王妃であり、子女は、未来世界を代表する王と王妃となり、皆さんの家庭で、三時代圏をすべて取り戻して立てることができるのです。
 このように、一つの家庭圏で正分合の創造過程が展開します。祖父母が正であれば、父母は分となり、再び合になる位置には子女が立つのです。したがって、祖父母を愛して侍ることによって、私たちは過去を学び相続します。父母を愛し侍りながら、子女たちは現在を学び習得します。また、祖父母と父母は、孫と孫娘と子女を愛するところで未来を感じ希望を持つようになるのです。(『文鮮明先生御言選集』478-307 2004.12.2)

 

神様を中心として祖父母、父母、子女の三代が一つになった家庭が実現すれば、それが地上天上天国の土台であり、基礎になります。

それでは次に、三数について更に掘り下げながら、三数存在の原則について調べてみましょう。

復帰摂理歴史における三数存在の関与

(1)三数は安定と調和の数

三数的な存在である神様の象徴的な実体対象として創造されたのが万物なので、その存在様相は次のように三数になっています。

自然界は動物と植物と鉱物からなり、物質は気体と液体と固体の三相を表している。植物は根と幹と葉の三部分からなり、動物は頭部と胴部と四肢の三部分からなっている。(『原理講論』p77)

 

この他にも自然界には、光の三原色(赤・緑・青)や地球の表面を構成する陸・海・空、地球内部を構成する核・マントル・地殻などの例があります。

また、人間に注目してみても、知情意の三大心的要素、真善美の三大普遍的価値、食欲・睡眠欲・性欲の三大欲求などがあります。

他にも、衣食住、心技体、過去・現在・未来、タンパク質・糖質・脂質の三大栄養素など、以下のように多くの実例を挙げることができます。

【言葉】
■三種の神器
■御三家
■三拍子
■三日坊主
■三日天下
■三日月

【ことわざ】
■三度目の正直
■三人寄れば文殊の知恵
■石の上にも三年
■仏の顔も三度まで

【三大○○】
■日本三景(松島・宮島・天橋立)
■日本三大夜景(函館・神戸・長崎)
■日本三名泉(有馬・ 草津・下呂)
■世界三大宗教(仏教・イスラーム・キリスト教)
■世界三大料理(フランス料理・中華料理・トルコ料理)
■世界三大珍味(フォアグラ・トリュフ・キャビア)
■世界三大発明(火薬・活版印刷・羅針盤)

私たちの身の回りには、こういった三数に関連するものが多く、三数で考えたり、まとめたりすることで、分かりやすくスッキリと整理することができます。

物理的にも二点や四点より三点の方が安定するのですが、カメラの三脚などがその良い例です。

四脚の方がより安定するのではと思ってしまいますが、それは地面が平坦な場合で、デコボコしている所だと三脚の方が安定します。

以上のように、三数というのは安定と調和の数と言うことができ、それは神様ご自身が三数的存在でいらっしゃるため、というのが「統一原理」の観点です。

(2)復帰摂理歴史に見る三数存在の例

神様の復帰摂理歴史には、エデンの園のアダムとエバと天使長など、三数存在が関与する例が多く見られます。

三段階原則が縦的な摂理として展開するものだとすれば、この三数存在は横的な数理的蕩減条件と考えることができます。

三数を蕩減復帰する摂理の例として、『原理講論』には次のようなものがあげられています。

聖書には、三数を中心とした摂理の記録が多い。父、子、聖霊の三位、楽園の三層、ルーシェル、ガブリエル、ミカエルの三天使、箱舟の三層、ノアの洪水のときの三次にわたる鳩、アブラハムの三種の供え物、イサクの献祭の三日間、モーセの三日間の闇と災い、出エジプト路程のための三日間のサタン分立期間、カナン復帰のための三次にわたる四十年期間、ヨルダンを渡る前のヨシュアを中心とするサタン分立の三日期間、イエスの三十年私生涯と三年の公生涯、三人の東方博士、彼らの三つの貢ぎ物、三弟子、三大試練、ゲッセマネでの三度の祈り、ペテロのイエスに対する三度の否認、イエスの死後の三時間の闇と三日目の復活など、その例は数多くある。(『原理講論』p77~8)

(3)三数存在の原理的根拠

なぜ復帰の過程でこのような三数存在の関与が必要になったかというと、その理由としては主に次の二つがあります。

【理由1:三段階の成長期間未完成の蕩減復帰】
人間は成長期間の三段階を完成できずに堕落し、創造目的を完成できなかったので、この目的を再び完成するに当たっても、この三段階を通過しなければならない。それゆえ、復帰摂理は三数を求める摂理をされた。(『原理講論』p77)
 
【理由2:三存在によって堕落したことの蕩減復帰】元来神の三大祝福が完成されなかったのは、アダム、エバ、天使長の三存在が堕落してしまったからであった。ゆえに、三大祝福の復帰にも、それらを蕩減復帰するための三存在の関与が必要であったので、後のアダムとして来られたイエスと、エバの神性をもって来られた聖霊と天使の三存在が一つになって初めて霊的救いの摂理を成し遂げ、神の三大祝福を霊的に復帰することができたのである。(『原理講論』p547~8)

 

このように、人類始祖アダムとエバの堕落は、三段階の成長期間の途中でアダムとエバと天使長の三存在によって起きました。

その結果、神様の三大祝福が完成できなかったため、それを蕩減復帰する摂理歴史では、三数を求めていくようになったのです。

私たちの個人路程でも、「信仰基台」、「実体基台」、「メシヤのための基台」の三段階過程を経て、3人の信仰の子女を立てた条件をもってメシヤを迎えなければならない理由はここにあるのです。

復帰歴史全体を貫く三段階原則が神様の存在を証明

『原理講論』の「総序」には、神様を中心とする復帰摂理歴史について次のように記述されています。

 人類歴史が、神の創造目的を完成した世界に復帰していく摂理歴史であるということが事実であるならば、かくのごとくあらゆる法則の主人であられる神が、このように長い復帰摂理の期間を、何らの計画もなしに無秩序にこの歴史を摂理されるはずがない。
 それゆえ、人類の罪悪歴史がいかに出発し、いかなる公式的な摂理過程を経、また、いかなるかたちで終結し、いかなる世界に入るかを知るということは、我々にとって重要な問題とならざるを得ないのである。(中略)
 これらの問題が明確に解明されれば、我々は歴史を計画し導いてこられた何らかの主体、すなわち、神がいまし給うということを、どうしても否定することはできなくなるのである。(『原理講論』p35~6)

 

この神様の計画と秩序の一つが、ここまで紹介してきた三段階原則と三数存在の原則です。

 

このように、創造原理の神様の定義から復帰原理の世界大戦に至るまで、全体が三段階原則で展開されています。

この一貫した法則性が明確に解明されているため、神様が存在することの一つの証明にもなっているのです。

そして、「統一原理」では、復帰摂理歴史に現われた史実のひとつ一つが「堕落人間を救おうとしてこられた神の心情の反映」(『原理講論』p36)だったとされています。

人類歴史全体と同じように、あなた個人の人生にも復帰摂理歴史の原則が適用されているはずです。

そうだとすれば、そのひとつ一つの出来事が、あなたを救おうとしてこられた神様の心情の反映だったということになるのではないでしょうか。

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