■記事構成について

 原文を文章ごとに分け、それぞれの文章を【韓国語原文】、【原文の直訳】、【現行の訳文】の3つに分けて記載しています。

 【現行の訳文】が直訳されていて変更箇所がない場合、【原文の直訳】を省略し、【原文の直訳】と【現行の訳文】が統合されて一つの文章になっています。

■み言の引用について

 『原理講論』の引用文は、2014年5月30日、光言社発行の第五版第一刷から引用したものです。また、聖句の引用は、日本聖書協会発行の『口語訳聖書』からの引用です。

 『口語訳聖書』は原語(旧約聖書はヘブライ語、新約聖書はギリシャ語)から翻訳し、欧米の各言語(特に英語)を参考として訳されているため、『口語訳聖書』からの引用箇所は、韓国語の聖句の直訳になっていないことに留意してください。

■韓国語辞書について

 翻訳するさいに基準としている韓国語辞書は、小学館の『韓日辞典』(旧『朝鮮語辞典』)です。『韓日辞典』にない場合は、こちらのNAVER「국어사전(国語辞典)」を使います。

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■本文‐堕落論 第三節 愛の力と原理の力および信仰のための戒め

201
【韓国語原文】
제 3 절 사랑의 힘과 원리의 힘 및 믿음을 위한 계명
【原文の直訳】
第三節 愛の力と原理の力および信仰のための戒め
【現行の訳文】

㈠愛の力と原理の力から見た堕落

202
【韓国語原文】
Ⅰ.사랑의 힘과 원리의 힘으로 본 타락
【原文の直訳】
㈠愛の力と原理の力から見た堕落
【現行の訳文】

203
【韓国語原文】
인간은 원리로써 창조되어 원리궤도(原理軌道)에 의하여 생존하도록 창조되었다.
【原文の直訳】
人間は原理をもって創造され、原理軌道によって生存するように創造された。
【現行の訳文】

204
【韓国語原文】
그렇기 때문에 원리의 힘 그 자체가 인간을 원리궤도에서 탈선케 하여 타락시킬 수는 없다.
【原文の直訳】
それゆえに、原理の力それ自体が、人間を原理軌道より脱線させ、堕落せしめることはあり得ないのである。
【現行の訳文】

205
【韓国語原文】
이것은 마치 레일이나 기관에 고장이 없는 한 기차가 스스로 궤도를 탈선할 수 없는 것과 마찬가지다.
【原文の直訳】
これはあたかも、レールや機関に故障がない限り、汽車が自ら軌道を脱線できないのと同様である。
【現行の訳文】
これはあたかも、レールや機関車に故障がない限り、汽車が自ら軌道を脱線するということがあり得ないのと同様である。

206
【韓国語原文】
그러나 그 기차도 그가 달리는 힘보다도 더욱 강한 외력(外力)이 그와 방향을 달리하여 부딪쳐 올 때는 탈선될 수밖에 없다.
【原文の直訳】
しかし、その汽車もそれが走る力よりもさらに強い外力が、それと方向を異にしてぶつかってくるときは、脱線せざるを得ない。
【現行の訳文】
しかし、汽車も自らの走る力よりも強い、ある外力が、それと異なる方向から働いてきた場合には、脱線するほかはない。

207
【韓国語原文】
이와 마찬가지로 인간도 그 자신을 성장케 하는 원리의 힘보다도 더욱 강한 그 어떠한 힘이 그와 목적을 달리하여 부딪쳐 올 때는 타락될 수밖에 없는 것이다.
【原文の直訳】
これと同じように、人間も、それ自身を成長させる原理の力よりもさらに強いそのある力が、それと目的を異にしてぶつかってくるときは、堕落せざるを得ないのである。
【現行の訳文】
これと同じように、人間も、それ自身を成長させる原理の力よりも強い、ある力がそれと異なる目的をもってぶつかってくれば、堕落する以外にはないのである。

208
【韓国語原文】
그런데 이 원리의 힘보다도 더욱 강한 힘이 곧 사랑의 힘이다.
【原文の直訳】
ところが、この原理の力よりもさらに強い力が、すなわち、愛の力なのである。
【現行の訳文】
この原理の力よりも強い力が、すなわち、愛の力なのである。

209
【韓国語原文】
그러므로 미완성기(未完成期)에 있어서의 인간은 그 비원리적인 사랑의 힘으로 인하여 타락될 가능성이 있었던 것이다.
【原文の直訳】
それゆえに、未完成期における人間は、その非原理的な愛の力のために堕落する可能性があったのである。
【現行の訳文】

210
【韓国語原文】
그러면 왜 원리(原理)의 힘보다도 사랑의 힘이 더 강하여서, 미완성기에 있어서의 인간이 목적을 달리한 그러한 사랑의 힘에 부딪칠 때 그로 인하여서 타락될 수도 있게 되었던가?
【原文の直訳】
それでは、なぜ原理の力よりも愛の力がより強く、未完成期における人間が、目的を異にするそのような愛の力にぶつかるとき、それによって堕落することもあり得るようになったのだろうか。
【現行の訳文】
それでは、神はなぜこのように原理の力よりも愛の力を強くして、未完成期における人間が、目的の違った愛の力にぶつかるとき、それによって堕落することもあり得るように創造されたのであろうか。

211
【韓国語原文】
창조원리(創造原理)에 의하면, 하나님의 사랑은 삼대상 사랑에 의하여 삼대상목적(三對象目的)을 완성한 사위기대(四位基臺)의 주체적인 사랑을 말한다.
【原文の直訳】
創造原理によれば、神の愛は三対象の愛によって、三対象目的を完成した、四位基台の主体的な愛をいう。
【現行の訳文】
創造原理によれば、神の愛とは三対象の愛によって、三対象目的を完成した、四位基台の主体的な愛をいう。

212
【韓国語原文】
따라서 하나님의 사랑이 없이는 인간 창조의 목적인 사위기대가 이루어지지 않는 것이므로, 사랑은 인간의 행복과 생명의 근원이 된다.
【原文の直訳】
したがって、神の愛がなくては、人間創造の目的である四位基台が成就されないために、愛は人間の幸福と命の源になるのである。
【現行の訳文】
したがって、神の愛がなければ、人間創造の目的である四位基台が成就されないために、愛は人間の幸福と命の源泉なのである。

213
【韓国語原文】
하나님은 원리로써 창조된 인간을 사랑으로 주관하셔야 하므로, 그 사랑이 사랑답기 위하여는 사랑의 힘은 원리의 힘보다도 더 강하지 않으면 안 된다.
【原文の直訳】
神は原理によって創造された人間を、愛によって主管されなければならないので、その愛が愛らしくあるためには、愛の力は原理の力よりもさらに強くなければならない。
【現行の訳文】
神は原理によって創造された人間を、愛によって主管しなければならないので、その愛が愛らしく存在するためには、愛の力は、あくまでも、原理の力以上に強いものでなければならない。

214
【韓国語原文】
만일 사랑의 힘이 원리의 힘보다 약하다면 하나님은 원리로써 창조된 인간을 사랑으로 주관할 수 없으며, 따라서 인간은 하나님의 사랑보다도 원리를 더 추구하게 될 것이다.
【原文の直訳】
もし、愛の力が原理の力より弱ければ、神は原理で創造された人間を、愛をもって主管できず、したがって、人間は神の愛よりも原理をより一層追求するようになるであろう。
【現行の訳文】
もし、愛の力が原理の力よりも弱いものであるとすれば、神は原理で創造された人間を、愛をもって主管できず、したがって、人間は神の愛よりも原理をより一層追求するようになるであろう。

215
【韓国語原文】
예수님이 제자들을 진리(眞理)로써 세워 가지고 사랑으로써 구원(救援)하고자 하셨던 이유는 바로 여기에 있었다.
【原文の直訳】
イエス様が弟子たちを真理によって立て、愛をもって救おうとされた理由は、正にここにあったのである。
【現行の訳文】
イエスが弟子たちを真理によって立たしめ、愛をもって救おうとされた理由は、正にここにあったのである。

㈡信仰のための戒めを下さった目的

216
【韓国語原文】
Ⅱ.믿음을 위한 계명을 주신 목적
【原文の直訳】
㈡信仰のための戒めを下さった目的
【現行の訳文】

217
【韓国語原文】
하나님이 아담과 해와에게 따먹지 말라는 믿음을 위한 계명(誡命)을 주신 목적은 어디에 있었을 것인가? 그것은 사랑의 힘이 원리의 힘보다 강하므로, 아직 미완성기에서 하나님의 직접적인 사랑의 주관을 받을 수 없는 아담과 해와가 만일 천사장의 상대적인 입장에 서게 되면, 목적을 달리하는 그 비원리적인 사랑의 힘에 의하여 타락될 가능성이 있었기 때문이다.
【原文の直訳】
神が、アダムとエバに「取って食べてはならない」という信仰のための戒めを下さった目的は、どこにあったのだろうか。それは、愛の力が原理の力より強いため、いまだ未完成期において神の直接的な愛の主管を受けることができないアダムとエバが、もし天使長の相対的な立場に立つようになれば、目的を異にする、その非原理的な愛の力によって堕落する可能性があったからである。
【現行の訳文】
神が、アダムとエバに「食うべからず」という信仰のための戒めを下さった目的は、どこにあったのだろうか。それは、愛の力が原理の力よりも強いため、まだ未完成期において神の直接的な愛の主管を受けることができずにいたアダムとエバが、もし天使長の相対的立場に立つようになれば、目的を異にする、その非原理的な愛の力によって堕落する可能性があったからである。

218
【韓国語原文】
천사장의 비원리적인 사랑의 힘이 아무리 강하다 하더라도, 그들이 하나님의 계명을 따라 천사를 상대하지 않고 하나님과만 상대기준을 조성하여 수수작용을 하였더라면, 그 비원리적인 사랑의 힘은 작용할 수 없었기 때문에 그들은 결코 타락되지 않았을 것이었다.
【原文の直訳】
天使長の非原理的な愛の力がいかに強くとも、彼らが神の戒めに従い、天使に相対せず、神とのみ相対基準を造成して授受作用をしていたならば、その非原理的な愛の力は作用することができないため、彼らは決して堕落しなかったのである。
【現行の訳文】
天使長の非原理的な愛の力がいかに強くとも、アダムとエバが神の戒めに従い、天使を相手にせず、神とのみ相対基準を造成して授受作用をしていたならば、その非原理的な愛の力は作用することができず、彼らは決して堕落するはずがなかった。

219
【韓国語原文】
그러나 그들이 그 계명을 지키지 않고 천사장과 상대기준을 조성하여 그와 수수작용을 하였기 때문에, 그 불륜(不倫)한 사랑의 힘은 그들을 탈선케 하였던 것이다.
【原文の直訳】
しかし、彼らがその戒めを守らず、天使長と相対基準を造成して、それと授受作用をしたために、その不倫な愛の力は、彼らを脱線させたのである。
【現行の訳文】
しかし、彼らが神の戒めを守らず、天使長と相対基準を造成して、それと授受作用をしたために、その不倫な愛の力が、彼らを脱線させてしまったのである。

220
【韓国語原文】
미완성기(未完成期)에 있었던 인간에게 이러한 계명을 주셨던 것은, 단순히 그들로 하여금 타락하지 않도록 하기 위하여서만은 아니었다.
【原文の直訳】
未完成期にいた人間に、このような戒めを与えられたのは、単純に、彼らをして堕落しないようにするためだけではなかった。
【現行の訳文】
未完成期にいた人間に、このような戒めを与えられたのは、単純に、彼らが堕落しないようにするためだけではなかった。

221
【韓国語原文】
그것은 그밖에 또 인간이 그 자신의 책임분담(責任分擔)으로서, 그 말씀을 믿고 스스로 완성함으로써 하나님의 창조성(創造性)을 닮게 하여 만물에 대한 주관성(主管性)을 가지게 하시기 위함이기도 하였다(전편 제1장 제5절 Ⅱ 2).
【原文の直訳】
それは、それ以外にまた、人間が、それ自身の責任分担として、そのみ言を信じ、自ら完成することによって神の創造性に似るようにさせ、万物に対する主管性をもつようにされるためでもあったのである(前編第一章第五節㈡⑵)。
【現行の訳文】
更にいま一つ、人間が、自分自身の責任分担として、そのみ言を信じ、自らの力で完成することによって神の創造性に似るようになり、併せて万物に対する主管性をも得るようにさせたいからでもあったのである(前編第一章第五節㈡⑵)。

222
【韓国語原文】
그리고 이 계명을 천사장에게 주시지 않고 인간에게 주셨던 것은, 하나님의 자녀의 입장에서 천사까지도 주관해야 할 인간의 창조원리적인 자격과 위신을 세워 주시기 위함이었다.
【原文の直訳】
そして、この戒めを天使長に与え給わず、人間に与えられたというのは、神の子女の立場から、天使までも主管しなければならない人間の創造原理的な資格と威信を、立ててくださるためであった。
【現行の訳文】
そして、この戒めを天使長に与え給わず、人間に与えられたというのは、神の子女としての立場から、天使までも主管しなければならない人間の創造原理的な資格と威信とを、立てさせようとされたからであった。

㈢信仰のための戒めが必要な期間

223
【韓国語原文】
Ⅲ.믿음을 위한 계명이 필요한 기간
【原文の直訳】
㈢信仰のための戒めが必要な期間
【現行の訳文】

224
【韓国語原文】
그러면 하나님이 인간 조상에게 따먹지 말라고 하셨던 믿음을 위한 계명(誡命)은 언제까지라도 필요한 것이었던가? 사랑을 중심하고 볼 때 하나님의 제2축복(第二祝福) 완성은 아담과 해와가 하나님의 사랑을 중심삼고 부부를 이루어 그 자녀가 번성함으로써(창 1 : 28), 하나님의 사랑에 의한 직접적인 주관을 받는 것을 말하는 것이다.
【原文の直訳】
それでは、神が人間始祖に、「取って食べてはならない」と言われた信仰のための戒めは、いつまでも必要なものだったのだろうか。愛を中心として見るとき、神の第二祝福完成は、アダムとエバが、神の愛を中心として夫婦をなし、その子女が生み殖えることによって(創一・28)、神の愛による直接的な主管を受けることをいうのである。
【現行の訳文】
それでは、神が人間始祖に、「食うべからず」と言われた信仰のための戒めは、いつまでも必要であったのだろうか。愛を中心として見るとき、神の第二祝福完成は、アダムとエバが、神の愛を中心として夫婦となり、その子女が生み殖えることによって(創一・28)、神の愛による直接的な主管を受けることをいうのである。

225
【韓国語原文】
그러므로 인간이 완성되면 따먹는 것은 원리적인 것으로서 허용되도록 창조되어 있었던 것이다.
【原文の直訳】
それゆえに、人間が完成すれば、「取って食べる」ことは原理的なものとして、許されるように創造されていたのであった。
【現行の訳文】
それゆえに、人間が完成すれば、「食う」のは原理的なものとして、当然許されるように創造されていたのであった。

226
【韓国語原文】
사랑의 힘은 원리의 힘보다 강하기 때문에, 아담과 해와가 완성되어 하나님을 중심하고 부부를 이룸으로써 그 절대적인 사랑의 힘에 의하여 하나님의 직접적인 주관을 받게 되면, 이 절대적인 부부의 사랑의 힘을 끊을 자나 그것을 끊을 힘은 없기 때문에 그들은 절대로 타락될 수 없다.
【原文の直訳】
愛の力は原理の力より強いので、アダムとエバが完成し、神を中心として夫婦をなすことにより、その絶対的な愛の力によって、神の直接的な主管を受けるようになれば、この絶対的な夫婦の愛の力を断つ者や、それを断つ力はないがゆえに、彼らは絶対に堕落することはできない。
【現行の訳文】
愛の力は原理の力よりも強いので、アダムとエバが完成し、神を中心として夫婦となることにより、その絶対的な愛の力によって、神の直接的な主管を受けるようになれば、いかなるものも、またいかなる力もこの絶対的な夫婦の愛を断ちきることができないから、彼らは決して堕落するはずはなかった。

227
【韓国語原文】
더구나 인간보다도 저급한 천사장(天使長)의 사랑의 힘으로써는 도저히 하나님을 중심한 그들 부부간의 사랑을 끊을 수 없는 것이다.
【原文の直訳】
さらに、人間よりも低級な天使長の愛の力によっては、到底神を中心とした、彼ら夫婦間の愛を断つことはできないのである。
【現行の訳文】
まして、人間よりも低級な天使長の愛の力ぐらいでは、到底神を中心とした、彼ら夫婦の愛を断ちきることはできないのである。

228
【韓国語原文】
그러므로 따먹지 말라 하신 하나님의 계명은 아담과 해와가 미완성기에 있을 때에 한해서만 필요했던 것이다.
【原文の直訳】
それゆえに「取って食べてはならない」と言われた神の戒めは、アダムとエバが未完成期にいるときに限ってのみ、必要であったのである。
【現行の訳文】
それゆえに「食うべからず」と言われた神の戒めは、アダムとエバが未完成期にある場合に限ってのみ、必要であったのである。