一勝日(1/3)

1985年8月20日
アメリカ・ベルベディア

 一勝日は、1945年8月15日、第2次世界大戦終戦後から満40年になるその翌日、1945年8月16日(陰暦7月1日)午前7時、祝福子女40日修錬会を無事に終えて戻ってきた孝進様を歓迎しながら、真の父母様によりイースト・ガーデンにて宣布されました。
 この時、真の父母様は「私が40年間で父母の位置でカイン・アベルを従えて、家庭基盤を正常的に築いてサタンの讒訴圏を完全に抜けでしたので、この式をする」と語られました。

 

 アダム的使命を担った人が復帰の全体責任をもたなければならない

 この間、皆さんが祈られ、多くの苦労をするなかで、監獄での闘争期間をすべて終え、今戻ってくる道です。今この時間は、そのような監獄の話をする時間ではないので、他の話を少ししなければなりません。

 皆さんは、一勝日というものを、去る16日に策定したという噂を聞いたはずです。今その式を挙行しようと思いますが、それについての話を少しします。なぜこのような式が必要なのかということを、しばらくの間、話そうと思います。

 皆さんは、原理を通して復帰歴史を学んだはずですが、人間が堕落したので、神様はこれを復帰してきています。復帰するには、その全体責任を誰が負わなければなりませんか? アダムが堕落したので、アダム的使命を担った方が来られて分別してくれなければ、神様の子女になることのできる人たちが責任を果たせる道がありません。

 この世の中には堕落した子女たちが生まれて暮らしていますが、堕落した子女たちはすべてが怨讐になっています。アダムとエバも怨讐になっており、カインとアベルも怨讐になっており、その次には父母と子女、神様と人間世界、天使世界がすべて分かれて怨讐の立場にいます。

 このような歴史過程で神様が役事されたことは、選民を立て、ヤコブを中心としてイスラエルという名を立てて初めて、神様の人に対する干渉圏が始まったのです。ところが、2000年後にイエス様が来ましたが、使命を完遂できなかったので、再臨時代に延長されました。神側で人を選び、本格的に働き始めたのがヤコブの時からであり、その時から今までが4000年の歴史だということです。

 ですから、2000年前にイスラエル民族を中心としてメシヤを送ってくれましたが、そのメシヤが誰かといえば、完成した格に立つことができるアダムとエバの位置を代身する方です。それゆえに、メシヤが相対でき、イスラエルの2000年歴史に残されたその人たちは、メシヤの子孫ではなく、サタン世界から、堕落したアダムとエバの子女の中から、アベル的な子女として探し立てた人たちだということを、はっきりと知らなければなりません。

 メシヤを迎える時まではどこまでも国家基準です。国家基準を中心として、土台になるようにユダヤ教とイスラエル民族がカイン・アベルと同じ立場に立ち、二人が一つになってメシヤを迎えなければなりません。そうでなければ、復帰原則によってサタン世界から神様のところに帰る道がないというのです。

 アベルが神様の前に行こうとすれば長子権をサタン世界から取り戻してこなければならない

 本来、間接主管圏から直接主管圏に連結するためには、成長期間を経て上がるようになっています。上がるところは誰が先に上がるのかといえば、長子がまず上がるのです。長子が先に上がらなければなりません。長子が先に上がって、その次に次子が、子女たちがすべて上がるようになっています。

 ところが、堕落することによって長成期完成級まで誰が占領したのかといえば、サタンが占領して主管しているのです。それゆえにサタン主管圏に長子の基準がすべて入ってしまったのです。

 ですから、ここで神様はアベル、弟を立てて……。アベルは次子の立場なので、神様の前に上がる道がありません。原理的に見るとき、次子の位置では神様の前に上がる道がないというのです。ですから、次子の位置に立った息子がサタン世界に出て、段階的に長子権を探し求めなければなりません。サタン世界に出て長子権を探し求めて戻ってこなければ、上がる道がないというのです。

 さあ、それで長子、この兄が弟の位置に、弟が兄の位置に入れ替わるのです。サタン世界に行ってこれをひっくり返して、戻ってこなければなりません。兄についていきながら、兄が弟の位置に立ち、弟が兄の位置に立ちながら、アベルが兄の位置に立ち、兄であるカインが弟の位置に立つようになれば、神様の前に行くことができる道が定まるというのです。そのような歴史を反復するのです。そのようなことをしなくては、次子が長子に上がって責任分担を完成できる責任分担圏を成す道がないというのです。

 本来は最初に生まれた息子でも、2番目に生まれた息子でも、すべて神側の人にならなければなりませんでした。ところが、長子がサタン側になったので問題になるのです。堕落することによって体と心が……。神様は先に体をつくりました。体を先につくったので、長子の立場にあるというのです。長子の立場にある体は、全世界と、サタン圏のすべてと連結されています。ですから、体がしようとするままにしていけば、長子の立場を復帰できる道はないという結論が出てきます。それゆえに、心を中心として、信仰を中心として宗教という名の下に、体を屈伏させる闘争の歴史が今までの宗教の歴史です。

 メシヤはまず真の父母の位置を決定しなければならない

 さあ、それでは、私たちがどこに行けば自由があるのでしょうか? この圏(間接主管圏)内では自由がないのです。自由があり得ません。この圏を越え、この直接主管圏内に越えていかなければ、自由はあり得ないという結論です。(板書されたものを指し示しながら語られる)絶対自由があり得ないというのです。それで、個人を中心として、心と体が常に最前線で闘わなければなりません。最前線において、サタンを中心として、サタンの前に兄と弟が出てきて、兄はサタン側になり、弟は神側となって闘わなければなりません。闘うにおいては、常にこの兄が弟になり、弟が兄の位置に上がっていく闘いをここで行い、兄が弟を兄のように侍ってこそ、ここから戻ってきて、ここに上がっていくのです。

 歴史を中心として見るときに、ヤコブは兄エサウの長子権を奪いました。長子の権限を奪いました。その次にヤコブは、父イサクから祝福を受け、約束を守ってくれる(※)ラバンの家に訪ねていきました。サタン圏内の家庭的代表家庭を訪ねていき、そこからすべて取り戻してくるのです。その次には、兄のエサウを屈伏させるのです。外的な勝利基盤がなければ、内的な勝利基盤はないということを、皆さんは知らなければなりません。

※創世記28章1~4節
 イサクはヤコブを呼んで、これを祝福し、命じて言った、「あなたはカナンの娘を妻にめとってはならない。立ってパダンアラムへ行き、あなたの母の父ベトエルの家に行って、そこであなたの母の兄ラバンの娘を妻にめとりなさい。全能の神が、あなたを祝福し、多くの子を得させ、かつふえさせて、多くの国民とし、またアブラハムの祝福をあなたと子孫とに与えて、神がアブラハムに授けられたあなたの寄留の地を継がせてくださるように」。

 そのような歴史を段階的に個人段階、家庭段階、氏族段階、民族段階、国家段階まで経てきてイエス様が来られたのです。国家段階までこのような闘いを続けて国家基準まで、メシヤが来ることができる基準までつくっておくのです。

 それゆえに、イスラエル民族がエジプトに入って多くの苦難を受けた後でカナン復帰路程を行ったのも、民族的勝利圏を探し求めていったのです。外的な民族と内的な民族が闘いを反復するのです。そして、イスラエル民族がカナンに復帰してカナン七族とも闘いました。

 このような闘いが反復するため、宗教は受難の道を行くことになりました。このような宗教を国家ならば国家、あるいは世界ならば世界が反対する立場にあったので、メシヤが来ることになる時に反対を受けない環境をつくらなければなりませんでした。メシヤは完成したアダム格である真の父母として来られるので、その方の前に国家的基準で反対する基盤があってはいけません。ですから、これを準備するためにカイン・アベルを蕩減復帰して、最初の息子も、二番目の息子も、どのようにしてすべて神側にするかというのです。そのようにしてイエス様と連結させるために、イエス様を中心として、絶対的に一つにできる教育をしたのがイスラエルの歴史だというのです。

 それでは、メシヤは何をしなければなりませんか? カイン・アベルがいる前に堕落した父母がいたので、カイン・アベルが生まれる前に父母がいたので、神様の前に真の父母が決定されてこそ、天的カイン(・アベル)として復帰し、子女として連結させることができるのです。これを知らなければなりません。(「お父様、もう一度だけお話ください」通訳者)。アダムとエバが堕落せずにカインとアベルを生まなければならないのですが、堕落することによってサタン側のカインとアベルを生んだのです。

 イエス様という方は真の父母として来られたので、イエス様の前に生まれたカイン・アベルが兄弟同士で争ってはいけません。完全に長子権を復帰するにおいて、その長子と一つになることができるアベルになり、きちんと準備されていなければなりません。絶対服従しなければならないというのです。まずイエス様が決定しなければならないことは、完全に一つになった兄弟がいて、子女を生んだ父母の位置を決定しなければなりません。父母の位置が決定されて一つになり、これらを迎えなくては神様の前に行くことができる道がないというのです。

 それでは、ここでイスラエルの国とユダヤ教の中で誰がカインになり、誰がアベルになりますか? イスラエルの国がカインの立場であり、ユダヤ教がアベルの立場だというのです。すなわちイスラエルの国が長子の立場になり、ユダヤ教が次子の立場になるというのです。このような位置に立つようになったのです。

 イエス時代の国家的基準において、カイン・アベル、ユダヤ教とイスラエルの国が完全に一つになって、イエス様と一つになったならば、復帰された国家基盤の上に立つので、サタン圏が讒訴できる基準を越えるというのです。

 イエス様が来てまずしなければならないことは、ユダヤ教も必要であり、ユダヤの国も必要ですが、父母の位置、堕落しなかった父母の位置を決定しなければなりません。ところが、カイン・アベルを、長子権と次子権を連結させることができる父母の位置を決定できなかったというのです。そのようにしてイエス様は死んでしまったのです。

 1945年は実体基盤出動のために準備する時

 これらの二つが一つになってローマまで‐これ(イスラエルの国とユダヤ教)はカイン・アベルであり、これ(ローマ)は天使です。サタン側です‐この三つが一つになってイエス様を殺してしまったのです。それゆえ、天の側の基盤は完全に崩れてしまいました。

 しかし、イエス様が復活することによって、霊的基準を中心としてキリスト教が出発できる、イエス様の復活40日以降にキリスト教が出発できる基盤ができました。そうして、その霊的基準を中心として、120名の世界国家代表を中心として、120名の世界国家代表を中心として、2000年間発展してきました。この国家的基準から世界的基準まで2000年間発展して、キリスト教文化圏が世界を完全に支配できる、それに向って歴史が発展してきたというのです。

 イエス様が新郎として新婦である聖霊と霊的に一つになり、父母の位置、霊的な父母の位置を決定し、カイン・アベルの統一歴史をもう一度行い、2000年間発展してきたというのです。それで再臨期である終わりの日になり、キリスト教文化圏が全世界を支配できる一時が来たのです。その時が第2次世界大戦直後でした。その時がキリスト教文化圏が世界を支配できる、歴史上に一度しかなかったチャンスだったというのです。

 その時がキリスト教とアメリカが一つになって世界を収拾し、来られる主の前に基盤を築き、絶対的な信仰をもってカイン・アベルの立場を世界的舞台で蕩減復帰しなければなりませんでした。そのようにしていれば、再臨主が来られて、そこからそのまま世界に地上天国の版図が始まるはずでした。その時を中心として、7年間あれば世界を収拾できる基盤が完成されるはずだった、このように見るのです。

 ですから、再臨主が来られるとき、キリスト教が反対し、アメリカが反対し、すべて反対する日には、イエス様の時のような裁判が起こり、再び蕩減しなければならないのです。ここから4000年歴史を通してここまで来たのです。

 その時、先生は何をしましたか? 先生が世界的な使命を果たすためには、アダムが失敗したことと、イエス様が失敗したことを霊的にすべて引き継がなければなりません。その霊的な基盤の引き継ぎ式を終えて、実体基盤の出動のために準備する時が1945年、大韓民国が解放されたその時でした。したがって、統一教会がその時、世界的な版図圏を中心として、本格的な出発をしなければならないというのです。それで、先生がその時まで内的に準備したことが、霊的世界を統一することだったのです。

 イエス様は霊的父母なので、霊的父母の基盤は半分しかできないというのです。それゆえに、それを引き受けて実体世界に連結しなければ、これが完結できないというのです。その時のキリスト教とアメリカが統一教会を受け入れたならば、7年以内にすべて一つにできたはずです。一つになったはずです。キリスト教文化圏が完全に一つになったはずです。それができなかったので、今このような歴史を反復するのです。

 統一教会がその時に反対を受けたので、この40年間を中心として、再び世界基準に上がらなければならないというのです。これを誰がしなければなりませんか? キリスト教とアメリカができなかったので、今日の統一教会がこのキリスト教ができなかったことを中心として、世界的蕩減をしなければならないというのです。時代が世界的時代からすべて連結されているので、世界圏まで反対されて、最前線でこのような闘争を今までしてきているのです。このような闘争をして、この世界基準まで上がらなければなりません。

 イエス時代は霊的な国家基準から出発して世界基準まで行ったので、統一教会が今までこれを引き継いでくることにおいて、霊的基準と肉的基準をすべて反対されたというのです。それゆえ、私たち統一教会は、霊的基盤と肉的基盤を伝授することを、もう一度しなければいけないというのです。

 それでは、イエス様が国家基準から世界的霊的基盤を築いたので、これを引き継ぐためにはどのようにしなければなりませんか? すべてキリスト教が反対し、キリスト教の国が反対したことによってその基盤がなくなったので、統一教会を中心として霊的国家基準、霊的国家基準から霊的世界基準に連結しなければなりません。これが問題だというのです。

(『文鮮明先生御言選集』 135-17~22 1985.8.20)

 

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