【原語で『原理講論』を読むプロジェクト活動報告】

※【原語で『原理講論』を読むプロジェクト】の詳細はこちら
https://unification-principle.com/category/upmcproject/hangleproject/

 

先日、【原語で『原理講論』を読むプロジェクト】として、第5回目の韓国語『原理講論』訓読会を行いました。

訓読したみ言の中で、もう少し原文に近い日本語にしたほうが良いかもしれないと思われる箇所をピックアップしてみました。

現在の日本語訳と韓国語原文の直訳文とを比べて、意味やニュアンスの違いなどに注目してみてください。

■第5回韓国語『原理講論』訓読会

日付:2019年9月26日
場所:東京日暮里の某会議室
訓読:韓国語『原理講論』本文p59~72(創造原理~堕落論)

■今回の訓読で確認した日本語『原理講論』の修正検討箇所一覧

(1)日本語『原理講論』p79の後ろから6行目

【日本語】
したがって、人間が完成するか否かは、神の創造の能力にだけかかっていたのではなく、人間自身の責任遂行いかんによっても決定されるようになっていたのである。
それゆえに、人間は神の創造主としての責任分担に対して、人間自身の責任分担を全うしながら、この成長期間(間接主管圏)をみな経過して、完成するように創造されていたのである。したがって、その責任分担については神が干渉してはならないのである。

【韓国語】
따라서 인간의 완성 여부는 하나님의 창조의 능력에만 달려 있었던 것이 아니라, 인간 자신의 책임수행여하에 따라서 결정되도록 되어 있었던 것이다.
이와 같이 하나님은 그의 창조주로서의 책임분담에 대하여 인간이 그 자신의 책임분담을 다하면서 이 성장기간(간접주관권)을 다 경과함으로써 완성되도록 창조하셨기 때문에, 그 책임분담에 대하여는 하나님이 간섭하셔서는 안 되는 것이다.

【韓国語原文の直訳】
したがって、人間の完成可否は、神の創造の能力にだけかかっていたのではなく、人間自身の責任遂行いかんによって決定されるようになっていたのである。
このように、神は、その創造主としての責任分担に対して、人間がそれ自身の責任分担を全うしながら、この成長期間(間接主管圏)をみな経過することによって完成するように創造されたため、その責任分担に対しては神が干渉されてはならないのである。

 

※「人間の完成可否」についての補足

旧約聖書の創世記1章を見ると、被造物の創造が終わるごとに、神様は「それを見て良しとされた」と記録されています(創一・4~31)。

『原理講論』のp64では、これについて被造物が善の対象となることを神様が願われたからだと説明しています。

「可否」という言葉は「よしあし」を意味する言葉で、人間が完成した場合、神様はそれをご覧になって「良し」とされることから、このような表現がされていると考えることができます。

(2)日本語『原理講論』p79の後ろから2行目

【日本語】
このように、人間がそれ自身の責任分担を完遂して初めて完成されるように創造されたのは、人間が神も干渉できない責任分担を完遂することによって、神の創造性までも似るようにし、また、神の創造の偉業に加担させることによって、ちょうど創造主である神が人間を主管なさるそのごとくに、人間も創造主の立場で万物を主管することができる主人の権限をもつようにするためであった。

【韓国語】
이와 같이 인간이 그 자신의 책임분담을 완수하여서만 완성되도록 창조하신 것은, 인간이 하나님도 간섭할 수 없는 그의 책임분담을 완수함으로써 인간으로 하여금 하나님의 창조성까지도 닮게 하여 하나님의 창조의 위업에 가담케 하심으로써, 창조주하나님이 인간을 주관하시듯이 인간도 창조주의 입장에서 만물을 주관할 수 있는 주인의 권한을 가지도록 하시기 위함이었다.

【韓国語原文の直訳】
このように、人間がそれ自身の責任分担を完遂して初めて完成されるように創造されたのは、人間が神も干渉できないその責任分担を完遂することによって、人間をして神の創造性までも似るようにし、神の創造の偉業に加担させることによって、創造主である神が人間を主管されるように、人間も創造主の立場で万物を主管できる主人の権限をもつようにされるためであった。

(3)日本語『原理講論』p80の最後の行

【日本語】
神を中心として、ある主体と対象とが合性一体化して四位基台をつくり、神と心情において一体となり、主体の意のままに愛と美を完全に授受して、善の目的を完成することを直接主管という。

【韓国語】
하나님을 중심하고 어떠한 주체와 대상이 합성일체화하여 사위기대를 조성함으로써 하나님과 심정의 일체를 이루어 가지고, 주체의 뜻대로 사랑과 미를 완전히 주고받아 선의 목적을 이루는 것을 직접주관이라고 한다.

【韓国語原文の直訳】
神を中心として、ある主体と対象が合性一体化して四位基台を造成することによって、神と心情の一体を成し、主体の意のままに愛と美を完全にやり取りし、善の目的を完成することを直接主管という。

(4)日本語『原理講論』p82の後ろから4行目

【日本語】
心との関係がなくては、体の行動があり得ないように、神との関係がなくては創造本然の人間の行動もあり得ない。したがって、無形世界との関係がなくては、有形世界が創造本然の価値を表すことはできないのである。

【韓国語】
마음과의 관계가 없이는 몸의 행동이 있을 수 없는 것같이 하나님과의 관계가 없이는 창조본연의 인간의 행동이 있을 수 없으며, 따라서 무형세계와의 관계가 없이는 유형세계가 창조본연의 가치를 드러낼 수 없는 것이다.

【韓国語原文の直訳】
心との関係がなくしては、体の行動があり得ないように、神との関係がなくしては創造本然の人間の行動もあり得ず、したがって、無形世界との関係がなくしては、有形世界が創造本然の価値を表すことはできないのである。

(5)日本語『原理講論』p84の1行目

【日本語】
そうすることによって、人間は二つの世界の媒介体となり、あるいは和動の中心体となる。

【韓国語】
그리하여 인간은 두 세계의 매개체요 또한 화동의 중심체가 된다.

【韓国語原文の直訳】
そうして、人間は二つの世界の媒介体であり、さらにまた和動の中心体となる。

(6)日本語『原理講論』p85の後ろから4行目

【日本語】
我々は平素の生活において、肉身が善の行動をしたときには、心がうれしく、悪の行動をしたときには、心が不愉快さを経験するが、これは、その肉身の行動の善悪に従って、それに適応してできる生力要素が、そのまま霊人体へと回っていく証拠である。

【韓国語】
우리는 평소의 생활에 있어서 육신이 선한 행동을 할 때는 마음이 기쁘고 악한 행동을 할 때는 마음이 언짢은 것을 경험하거니와, 이것은 그 육신의 행동의 선악에 따라 그에 적응하여 생기는 생력요소가 그대로 영인체에 돌아가는 증좌이다.

【韓国語原文の直訳】
我々は平素の生活において、肉身が善の行動をするときは、心がうれしく、悪の行動をするは、心がすぐれないことを経験するが、これは、その肉身の行動の善悪に従って、それに適応して生じる生力要素が、そのまま霊人体に回っていく証左である。

(7)日本語『原理講論』p86の3行目

【日本語】
人間が永存することを念願するのは、それ自体の内に、このような永存性をもつ霊人体があるからである。

【韓国語】
인간이 영존하기를 염원하는 것은 그 자체 내에 이와 같이 영존성을 지닌 영인체가 깃들어 있기 때문이다.

【韓国語原文の直訳】
人間が永存することを念願するのは、それ自体の内に、このような永存性をもつ霊人体が宿っているからである。

(8)日本語『原理講論』p86の後ろから2行目

【日本語】
それゆえに、人間が真理で生心が要求するものを悟り、そのとおりに実践することによって、人間の責任分担を完遂すれば、初めて生霊要素と生力要素とがお互いに善の目的のための授受作用をするようになる。

【韓国語】
그러므로 인간이 진리로써 생심이 요구하는 것을 깨달아 그대로 실천함으로써 인간 책임분담을 완수해야만 생령요소와 생력요소가 서로 선의 목적을 위한 수수작용을 하게 된다.

【韓国語原文の直訳】
それゆえに、人間が真理で生心が要求するものを悟り、そのとおりに実践することによって、人間の責任分担を完遂してこそ、生霊要素と生力要素が互いに善の目的のための授受作用をするようになる。

(9)日本語『原理講論』p87の後ろから2行目

【日本語】
このように、霊人体のすべての素性は肉身のある間に形成されるので、堕落人間においては、霊人体の悪化は肉身生活の犯罪行為に由来するもので、同じく、その霊人体の善化も、肉身生活の贖罪によってのみなされる。

【韓国語】
이와 같이 영인체의 모든 소성은 육신을 쓰고 있는 동안에 형성되기 때문에 타락인간에 있어서의 영인체의 악화는 육신생활의 범죄행위에 유인하는 것이며, 마찬가지로 그 영인체의 선화도 또한 육신생활의 속죄로 인하여서만 이루어진다.

【韓国語原文の直訳】
このように、霊人体のすべての素性は肉身をまとっている間に形成されるので、堕落人間においての霊人体の悪化は肉身生活の犯罪行為に由来するもので、同じく、その霊人体の善化もまた、肉身生活の贖罪によってのみなされる。

(10)日本語『原理講論』p88の後ろから4行目

【日本語】
生心と肉心との関係は、性相と形状との関係と同じく、それらが神を中心として授受作用をして合性一体化すれば、霊人体と肉身を合性一体化させて、創造目的を指向させる一つの作用体をつくる。これが正に人間の心である。

【韓国語】
생심과 육심과의 관계는 성상과 형상과의 관계와 같아서, 그것들이 하나님을 중심하고 수수작용을 하여 합성일체화하면, 영인체와 육신을 합성일체화하게 하여 창조목적을 지향하게 하는 하나의 작용체를 이루는 것이니, 이것이 바로 인간의 마음이다.

【韓国語原文の直訳】
生心と肉心との関係は、性相と形状との関係と同じであり、それらが神を中心として授受作用をして合性一体化すれば、霊人体と肉身を合性一体化するようにさせ、創造目的を指向するようにする一つの作用体をつくるのであるが、これが正に人間の心である。

(11)⽇本語 『原理講論』p89の5行目

【⽇本語】
サタンの拘束を受けている生心と肉心が授受作用をして合性一体化すれば、人間をして悪を指向させるまた一つの作用体をつくるが、これを我々は邪心という。

【韓国語】
사탄의 구애를 당하고 있는 생심과 육심이 수수작용을 하여 합성일체화하면, 인간으로 하여금 악을 지향하게 하는 또 하나의 작용체를 이루는 것이니, 이것을 우리는 사심이라고 한다.

【韓国語原⽂の直訳】
サタンの拘泥を受けている生心と肉心が授受作用をして合性一体化すれば、人間をして悪を指向するようにするまた一つの作用体をつくるが、これを我々は邪心という。

(12)⽇本語 『原理講論』p91の1行目

【⽇本語】
人間はだれでも悪を退け、善に従おうとする本心の指向性をもっている。しかし、すべての人間は自分も知らずにある悪の力に駆られ、本心が願うところの善を捨てて、願わざる悪を行うようになるのである。このような悪の勢力の中で、人類の罪悪史は綿々と続いてきた。キリスト教ではこの悪の勢力の主体をサタンと呼ぶのである。
そして、人間がこのサタンの勢力を清算できないのは、サタンが何であり、またそれがどうしてサタンとなったかという、その正体を知らないからである。それゆえに、人間がこの悪を根こそぎ取り除き、人類の罪悪史を清算して、善の歴史を成就するためには、まず、サタンがサタンとなったその動機と経路、およびその結果を明らかに知らなければならない。つまり、このような問題を解明するために、我々は堕落論を知らなければならないのである。

【韓国語】
인간은 누구나 악을 버리고 선을 따르려는 본심의 지향성을 가지고 있다. 그러나 모든 인간은 자기도 모르게 어떠한 악의 세력에 몰리어, 본심이 원하는 선을 버리고 원치 않는 악을 행하게 된다. 이러한 악의 세력 가운데서 인류의 죄악사는 연면히 계속되고 있다. 기독교에서는 이 악의 세력의 주체를 사탄이라고 한다.
인간이 이 사탄의 세력을 청산하지 못하는 것은, 사탄이 무엇이며 또 그것이 어떻게 해서 사탄이 되었는가 하는 그 정체를 알지 못하고 있기 때문이다. 그러므로 인간이 이 악을 발본색원함으로써 인류 죄악사를 청산하고 선의 역사를 이루기 위하여는 먼저 사탄이 사탄 된 동기와 경로와 그 결과를 밝히 알지 않으면 아니 되는 것이다. 이러한 문제를 해명하기 위하여 우리는 타락론을 알아야 한다.

【韓国語原⽂の直訳】
人間はだれでも悪を離れ、善に従おうとする本心の指向性をもっている。しかし、すべての人間は自分も知らずにある悪の勢力に追われ、本心が願う善を捨て、願わない悪を行うようになる。このような悪の勢力の中で、人類の罪悪史は綿々と継続している。キリスト教ではこの悪の勢力の主体をサタンと呼ぶのである。
人間がこのサタンの勢力を清算できないのは、サタンが何であり、またそれがどのようにしてサタンとなったかという、その正体を知ることができずにいるからである。それゆえに、人間がこの悪を抜本塞源することによって人類の罪悪史を清算し、善の歴史を成すためには、まず、サタンがサタンとなった動機と経路とその結果を明らかに知らなければならない。このような問題を解明するために、我々は堕落論を知らなければならない。

(13)⽇本語 『原理講論』p92の1行目

【⽇本語】
今まで人間の中に深く根を下ろし、休むことなく人間を罪悪の道に追いこんできた罪の根がいったい何であるか、この問題を知る者は一人もいなかった。

【韓国語】
이제까지 인간 속에 깊이 그 뿌리를 박고 쉬임 없이 인간을 죄악의 길로 몰아내고 있는 죄의 뿌리가 무엇인가 하는 것을 안 사람은 한 사람도 없었다.

【韓国語原⽂の直訳】
今まで人間の中に深くその根を張り、休むことなく人間を罪悪の道に追い出している罪の根が何であるかということを知った者は一人もいなかった。

(14)⽇本語 『原理講論』p93の7行目

【⽇本語】
なぜなら遺伝は、ただその血統を通じてのみなされるからである。ゆえに、ある一人の人間が、何か物を食べたなどということによって、その結果が子孫代々にまで遺伝されるはずはない。ある信徒たちは、神がそのみ言に対して人間が従順であるかどうかを試すために善悪を知る木の果を創造し、それを食べてはならぬと命令されたのであると信じている。しかし、全き愛の方であられる神が、人間に死を伴うような方法でもって、かくも無慈悲な試みをされたとは到底考えることができない。

【韓国語】
유전은 오직 혈통을 타고 내려오는 것이기 때문에, 어느 한 사람이 그 무엇을 먹었다고 하여 그 결과가 후손에게까지 유전될 수는 없는 것이다. 하나님은 그의 말씀에 대한 인간의 순종 여부를 시험하시기 위하여 선악과를 창조하시고 그것을 따먹지 말라고 명령하셨다고 믿고 있는 신도들도 있다. 그러나 사랑의 하나님께서 그와 같이 인간에게 사망이 따르는 방법으로써 그렇게 무자비한 시험을 하셨으리라고는 볼 수 없는 것이다.

【韓国語原⽂の直訳】
遺伝は、ただ血統を伝わってくるものであるため、ある一人がその何かを食べたことによって、その結果が子孫にまで遺伝されることはない。神はそのみ言に対して人間が従順であるかどうかを試すために善悪を知る木の果を創造し、それを食べてはならぬと命令されたのであると信じている信徒たちもいる。しかし、愛の神が、そのように人間に死を伴う方法で、かくも無慈悲な試みをされたとは考えることができない。

(15)⽇本語 『原理講論』p93の後ろから5行目

【⽇本語】
飢えてもいなかったアダムとエバが食物などのために、死を覚悟してまで、かくも厳重な神のみ言を犯したとは到底考えられないのである。

【韓国語】
기아에 허덕였을 리도 없는 아담과 해와가 먹을 것을 위하여 죽음을 무릅쓰면서까지 그렇게 엄중한 하나님의 말씀을 어겼으리라고는 생각되지 않는다.

【韓国語原⽂の直訳】
飢餓で苦しんでいたはずもないアダムとエバが食べる物のために、死を顧みず、とても厳重な神のみ言に背いたとは考えられないのである。

(16)⽇本語 『原理講論』p93の後ろから4行目

【⽇本語】
それゆえに、善悪を知る木の果は何かの物質ではなく、生死にかかわることさえも問題視しないほどの強力な刺激を与えることのできる、他の何物かであるに相違ない。

【韓国語】
그러므로 선악과는 어떠한 물질이 아니고, 생명에 대한 애착까지도 문제되지 않을 만큼 강력한 자극을 주는 다른 무엇이었음에 틀림없다.

【韓国語原⽂の直訳】
それゆえに、善悪の果は何かの物質ではなく、命に対する愛着までも問題にならないほど強力な刺激を与える他の何かだったことに間違いない。

(17)⽇本語 『原理講論』p94の5行目

【⽇本語】
この生命の木が何であるかが明らかになれば、これと共にあったという善悪を知る木が何であるかということも、明確に知られるようになるからである。

【韓国語】
이 ‘생명나무’가 무엇인지를 알게 되면 그와 함께 있었던 ‘선악을 알게 하는 나무’가 무엇이라는 것도 바로 알 수 있겠기 때문이다.

【韓国語原⽂の直訳】
この「命の木」が何であるかが分かるようになれば、それと共にあった「善悪を知る木」が何であるかということも、すぐに分かるようになるからである。

 

※「命の木」について
日本語の聖書では、口語訳と新共同訳のいずれも「命の木」と表記されています。

日本語の『原理講論』が「生命の木」と表記しているのは韓国語の『原理講論』のとおりに翻訳したからだと推測されます。

しかし、聖書からの引用語句はそのとおりに表記するという原則に従い、ここは「命の木」とするのが望ましいと考えます。

韓国語の聖書の表記は「생명나무」ですので、韓国語の『原理講論』と一致しています。

 

■第6回韓国語『原理講論』訓読会の予定日

日付:2019年10月17日
場所:東京日暮里の某会議室
訓読:韓国語『原理講論』本文p72~86(堕落論)

 

※韓国語『原理講論』は2006年2月20日発行の42刷標準横書きから引用
※日本語『原理講論』は2014年5月30日発行の第5版第1刷から引用
※韓国語原文の直訳文の文責は当ブログ管理者にあり、翻訳に際して使用した辞書は『朝鮮語辞典』(小学館)