【原語で『原理講論』を読むプロジェクト活動報告】

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https://unification-principle.com/category/upmcproject/hangleproject/

 

先日、【原語で『原理講論』を読むプロジェクト】として、第4回目の韓国語『原理講論』訓読会を行いました。

訓読したみ言の中で、もう少し原文に近い日本語にしたほうが良いかもしれないと思われる箇所をピックアップしてみました。

現在の日本語訳と韓国語原文の直訳文とを比べて、意味やニュアンスの違いなどに注目してみてください。

■第4回韓国語『原理講論』訓読会

日付:2019年8月22日
場所:東京日暮里の某会議室
訓読:韓国語『原理講論』本文p45~58(創造原理)

■今回の訓読で確認した日本語『原理講論』の修正検討箇所一覧

(1)日本語『原理講論』p65の3行目

【日本語】
それゆえに、人間を中心とする被造世界が存在する目的は、神を喜ばせることであった。

【韓国語】
그러므로 인간을 중심한 피조세계가 존재하는 목적은 하나님에게 기쁨을 돌려드리는 데 있다.

【韓国語原文の直訳】
それゆえに、人間を中心とする被造世界が存在する目的は、神に喜びをお返しするところにある。

(2)日本語『原理講論』p65の9行目

【日本語】
したがって、森羅万象の被造物は、このような二重目的によって連帯しあっている一つの広大な有機体なのである。

【韓国語】
따라서 삼라만상의 피조물은 이러한 이중목적에 의하여 얽혀 있는 하나의 굉대한 유기체인 것이다.

【韓国語原文の直訳】
したがって、森羅万象の被造物は、このような二重目的によって複雑に関係しあっている一つの広大な有機体なのである。

(3)日本語『原理講論』p66の後ろから3行目

【日本語】
ここで、その心と神は、このような実体対象からくる刺激によって、それ自体の性相と形状とを相対的に感ずることができるので、喜びに満ちることができるのである。それゆえ、人間が神の第一祝福を完成すれば、それは神の喜びのための善の対象となるのである。
このように、個性を完成した人間は、神の喜怒哀楽を直ちにそれ自体のものとして感ずるようになり、神が悲しむ犯罪行為をすることができなくなるので、絶対に堕落することがない。

【韓国語】
이에 그 마음이나 하나님은 이러한 실체대상으로부터 오는 자극으로 말미암아 그 자체의 성상과 형상을 상대적으로 느낄 수 있기 때문에 기쁨을 누리게 된다. 그러므로 인간이 하나님의 제1축복을 이루면 그것은 하나님의 기쁨을 위한 선의 대상이 되는 것이다.
이와 같이 개성을 완성한 인간은 하나님의 희로애락을 곧 그 자체의 것으로서 느끼게 되어 하나님이 서러워하시는 범죄행위를 할 수 없기 때문에 절대로 타락할 수 없는 것이다.

【韓国語原文の直訳】
ゆえに、その心や神は、このような実体対象からくる刺激によって、それ自体の性相と形状を相対的に感ずることができるので、喜びを享受するようになる。それゆえ、人間が神の第一祝福を完成すれば、それは神の喜びのための善の対象となるのである。
このように、個性を完成した人間は、神の喜怒哀楽を直ちにそれ自体のものとして感ずるようになり、神が悲しまれる犯罪行為をすることができないので、絶対に堕落することができない。

(4)日本語『原理講論』p67の5行目

【日本語】
このように、神を中心として四位基台をつくった家庭や社会は、個性を完成した人間一人の容貌に似るようになるので、これは、神を中心とした人間の実体対象であり、したがって、また神の実体対象ともなるのである。

【韓国語】
이와 같이 하나님을 중심하고 사위기대를 이룬 가정이나 사회는 개성을 완성한 사람 하나의 모양을 닮게 되므로, 이것은 하나님을 중심한 인간의 실체대상이요, 따라서 하나님의 실체대상이 된다.

【韓国語原文の直訳】
このように、神を中心として四位基台をつくった家庭や社会は、個性を完成した人間一人のに似るようになるので、これは、神を中心とした人間の実体対象であり、したがって、神の実体対象になるのである。

 

※若干の解説

容貌(ようぼう)とは人の顔立ちのことを意味する言葉です。この類義語に容姿(ようし)という言葉がありますが、こちらは顔立ちと体つきの双方を意味する言葉なので、どちらかというと、意訳するのであれば容姿(ようし)の方が適切かと思われます。

ただ、神を中心として四位基台をつくった家庭や社会が個性を完成した人間の顔に似ているわけではないので、この文章の意味するところから考えると、原文の「모양」をそのまま「形」と訳してまったく問題ないでしょう。

また、同様の箇所が日本語『原理講論』には2ヶ所ありますので、列挙しておきます。

・p68の5行目
すなわち、植物の葉はその容貌や機能から見て、人間の肺に該当する。

・p69の後ろから5行目
既に説明したすべての事実を総合してみると、天国は神の本性相と本形状のとおりに、個性を完成した人間一人の容貌に似た世界であるということを、我々は知ることができる。

この箇所の原文は、いずれも「모양」になっています。

(5)日本語『原理講論』p69の2行目

【日本語】
そして、神はこのように、人間と万物世界とが合性一体化することによって、神の第三対象である被造世界によって、神自体の本性相と本形状に対する刺激的な感性を相対的に感じて、喜びに浸ることができる。

【韓国語】
그리고 하나님은 위와 같이 인간과 만물세계가 합성일체화하여 하나님의 제3대상이 된 피조세계로 말미암아 하나님 자체의 본성상과 본형상에 대한 자극적인 감성을 상대적으로 느끼심으로써 기쁨을 누리시게 되는 것이다.

【韓国語原文の直訳】
そして、神はこのように、人間と万物世界が合性一体化して神の第三対象となった被造世界によって、神自体の本性相と本形状に対する刺激的な感性を相対的に感じることによって、喜びを享受されるようになるのである。

(6)日本語『原理講論』p70の1行目

【日本語】
ある対象がもっている価値は、その対象が存在する目的と、それに対する人間主体の欲求との相対的関係によって決定されるというのが、我々の今まで考えてきた一般的な価値観であった。

【韓国語】
어떤 대상이 지니고 있는 가치는 그 대상이 존재하는 목적과 그것을 대하는 인간 주체의 욕구와의 상대적 관계에 의하여 결정된다고 생각하는 것이 우리가 이제까지 알아 왔던 일반적인 가치관이었다.

【韓国語原文の直訳】
ある対象がもっている価値は、その対象が存在する目的と、それに対する人間主体の欲求との相対的関係によって決定されると考えるのが、我々が今まで理解してきた一般的な価値観であった。

(7)日本語『原理講論』p70の後ろから2行目

【日本語】
それゆえに、絶対者であられる神を基準として、これに対して相対的に決定されるある対象の創造本然の価値もまた絶対的でないはずがない。

【韓国語】
그러므로 절대자 하나님을 기준으로 하여 그에 상대적으로 결정되는 어떤 대상의 창조본연의 가치도 절대적인 것이 아닐 수 없다.

【韓国語原文の直訳】
それゆえに、絶対者の神を基準として、それと相対的に決定されるある対象の創造本然の価値も絶対的なものでないはずがない。

(8)日本語『原理講論』p72の最後の行

【日本語】
愛と美の目的は、神から実体として分立された両性が、愛と美を授受することによって合性一体化して、神の第三対象となることによって、四位基台を造成して創造目的を達成するところにある。

【韓国語】
사랑과 미의 목적은, 하나님으로부터 실체로 분립된 양성이 사랑과 미를 주고받음으로 합성일체화하여 하나님의 제3대상이 됨으로써 사위기대를 조성하여 창조목적을 이루려는 데 있다.

【韓国語原文の直訳】
愛と美の目的は、神から実体として分立された両性が、愛と美をやりとりすることで合性一体化し、神の第三対象となることによって、四位基台を造成して創造目的を成し遂げようとするところにある。

(9)日本語『原理講論』p74の5行目

【日本語】
サタンを中心として四位基台を造成することによって上記のような神の三大祝福に反対の目的を成し遂げる行為、または、その行為の結果を悪というのである。

【韓国語】
그리고 사탄을 중심하고 사위기대를 조성함으로써 위와 같은 하나님의 3대 축복과 반대되는 목적을 이루는 행위나 그 행위의 결과를 악이라고 한다.

【韓国語原文の直訳】
そして、サタンを中心として四位基台を造成することによって上記のような神の三大祝福と反対になる目的を成し遂げる行為や、その行為の結果を悪というのである。

(10)日本語『原理講論』p76の最後の行

【日本語】
このように、被造世界で起こるすべての現象は、必ずある程度の時間が経過したのち、初めてその結果が現れるようになる。これは被造物が創造されるとき、一定の成長期間を経て完成できるように創造されたからである。

【韓国語】
이처럼 피조세계에서 일어나는 모든 현상은 반드시 어느만큼의 시간이 경과한 후에야 그 결과를 가져오게 되는 것인 바, 이것은 피조물이 창조될 때 일정한 성장기간을 거쳐서 완성되도록 창조되었기 때문이다.

【韓国語原文の直訳】
このように、被造世界で起こるすべての現象は、必ずある程度の時間が経過したのち、初めてその結果をもたらすようになるのであるが、これは被造物が創造されるとき、一定の成長期間を経て完成するように創造されたからである。

(11)日本語『原理講論』p78の1行目

【日本語】
父、子、聖霊の三位

【韓国語】
성부(聖父)·성자(聖子)·성신(聖神)의 3위(三位)

【韓国語原文の直訳】
聖なる父、聖なる子、聖神の三位

 

※若干の解説

漢字表記は「聖父、聖子」ですが、読み方は「ちち、こ」と読むのが通例です。

『家庭盟誓』の第2節に出てくる「聖子」はここから来ていると思われます。

「天一国主人、私たちの家庭は真の愛を中心として、神様と真の父母様に侍り、天宙の代表的家庭になり、中心的家庭となって、家庭では孝子、国家では忠臣、世界では聖人、天宙では聖子の道理を完成することをお誓い致します。」

また、韓国語『原理講論』では、神様の霊を意味する場合は「성령」(聖霊)、女性神を意味する場合は「성신」(聖神)と区別して表記されていて、ここでは女性神を意味する「성신」(聖神)が使われています。

参考記事:『原理講論』の「聖霊」には二つの意味がある‐聖霊と聖神の違い

(12)⽇本語 『原理講論』p78の後ろから4行目

【⽇本語】
万物世界が六日という期間を経て完成できるように創造されたので、被造物の一つである人間も、やはり、そのような原理を離れて創造される理由はないのである。

【韓国語】
만물세계가 6일이라는 기간을 지나서 완성하도록 창조되었기 때문에, 피조물의 하나인 인간도 역시 그러한 원리를 떠나서 창조되었을 리는 없는 것이다.

【韓国語原⽂の直訳】
万物世界が六日という期間を経て完成するように創造されたので、被造物の一つである人間も、やはり、そのような原理を離れて創造されたはずはないのである。

(13)日本語『原理講論』p78の最後の行

【日本語】
これは、人間始祖の堕落の前後の諸般の事情と、復帰摂理歴史の経緯が実証するもので、本書の前編と後編を研究することによって、そのことが明確に分かるようになるであろう。

【韓国語】
이것은 인간 시조의 타락을 전후한 제반 사정과 복귀섭리역사의 경위가 실증하는 바로서, 본서의 전후편을 두루 연구하는 데서 명확히 알게 될 것이다.

【韓国語原文の直訳】
これは、人間始祖の堕落を前後した諸般の事情と、復帰摂理歴史の経緯が実証するものであり、本書の前・後編をあまねく研究することで、明確に分かるようになるであろう。

■第5回韓国語『原理講論』訓読会の予定日

日付:2019年9月26日
場所:東京日暮里の某会議室
訓読:韓国語『原理講論』本文p59~72(創造原理~堕落論)

 

※韓国語『原理講論』は2006年2月20日発行の42刷標準横書きから引用
※日本語『原理講論』は2014年5月30日発行の第5版第1刷から引用
※韓国語原文の直訳文の文責は当ブログ管理者にあり、翻訳に際して使用した辞書は『朝鮮語辞典』(小学館)