※この記事は、2023年9月24日に行われた世界平和統一聖殿日本本部公開礼拝の説教をまとめたものです。

(1)神様に導かれて始めた養蜂活動

 1 ミツバチの巣箱との出会い

2019年の7月のことです。

本業の休みの日に派遣の仕事へ自転車で行く道の途中で、ある家の裏庭に、木箱が4~5段に積み上げてあるものが5~6本並んでいるものを見ました。「あれはいったいなんだろう?」と思いました。

埼玉に今までずっと住んで来ましたが、このような木箱が積み上げてあるものを見るのは初めてでした。

しばらくしてから、根拠はないですが、「あれはもしかしたらミツバチかもしれない」という思いが湧いてきました。

それで、早速ネットで調べたら、やはりその通りで、私が見た木箱の塔は、ミツバチの巣箱であることがわかりました。こんな木箱でできる養蜂があるんだと思い、驚きました。

調べてみると、この木箱は日本ミツバチ用の巣箱だという事がわかりました。

このとき日本には日本ミツバチと西洋ミツバチがいる事が初めてわかり、ミツバチに関して、自分は何も知らなかったなと改めて感じさせられました。

養蜂といえばアボジの生家でもアボジのお父さんが養蜂行っていたことを思い出したので、果たしてアボジのお父さんは在来種(東洋ミツバチ→日本ミツバチとほぼ同じ遺伝子を持ち、韓半島に住んでいるミツバチ)で養蜂をされたのか?それとも西洋ミツバチで養蜂をされたのか、興味が湧いてきました。

それで、アボジの自叙伝を確認したら、どちらのミツバチなのかわかるかもしれないと思い、自叙伝引っ張り出して、その部分を確認してみました。

 

この文脈をもとに考えてみると、原板(養蜂の道具の一つで、日本語では巣枠のことを差す→巣枠を巣箱にいくつも入れて、そこへ蜜蜂の巣を作成させる)をカランコロンとひっくり返して、、、と書いてあり、在来種ミツバチでは、この原板=巣枠を使った養蜂はあまりやらないので、アボジのお父さんは西洋ミツバチをなさったのだなということがわかりました。

 2 養蜂家のはなし

9月に入り、箱に気づいてから2か月経ちました。いつもと同じようにそこを通りかかると、人がいたので聞いてみました。するとこの方が養蜂をやっている正にその人でした。

 ■木箱を積み上げたものは養蜂なのか?
 ■どのくらいハチミツがとれるのか?

こちらは自転車で通りがかりでもあったので、質問はこの2つしか出来ませんでしたが、趣味で養蜂をしているということでした。

採れるハチミツは1年に9升採れるのだとか。1升が約1.8Lだから、大体16Lです。

これが多いのか少ないのか分からなかったのですが、こんな環境でハチミツが採れるということが驚きでした。

更に、人間が準備した巣箱にミツバチが住み着く、というのがたいへん驚きでした。

自分の実家の方がもうちょっと田舎なので、実家でもできるかもしれないと思いました。

 3 神様はなぜ養蜂の巣箱を見せてくださったのか?

岩槻の派遣先までは、電車とバスで行く方法か、あとは自力で、車かバイクか自転車でそこへ行く方法の2つです。

一度、電車とバスで行ったことがありましたが、電車とバスだとミツバチの巣箱の見えるルートは通りません。

いろんな事情があって岩槻まで自転車で行くようになり、そのおかげでミツバチの巣箱を見るようになりました。

そのため、「なぜ神様は私に養蜂をお見せになったのか?」、これが2019年のテーマの一つになったわけです。

それで、いろいろと考えていると養蜂に関する神様のメッセージと思えるようなことがありました。それは以下のようなものでした。

 ①埼玉県坂戸市の町おこし

 この巣箱の目撃を両親に話したところ、坂戸では「町おこしにミツバチを」と市長が呼び掛けていることを聞きました。

 ②養蜂に関係する思い出

 私が幼いころ両親にドライブでどこかへ連れて行ってもらった時、大きな川の土手いっぱいに菜の花が咲いているのを見ることが何度もあり、その花を見る度に父が「ミツバチをやっている人は、花を求めて、全国を回っているらしい。この花は、ミツバチをやっている人が蒔いたのかもしれない。」と言っていたことを記憶しており、春先になり、菜の花がたくさん咲いている風景を見るたびごとに、父の発言と養蜂というものを思い出しました。

 ③妻の誕生日に両親がショートケーキ

 妻の誕生日に両親がショートケーキを家族の人数分買って来てくれました。私はあいにく誕生会には出席できませんでしたが、数種類あったショートケーキのうち1つだけ私のために残ったケーキは、なんと上にミツバチの巣に見えるホワイトチョコレートが乗っていました。
 特にこの③のショートケーキを見せられた時、この日が55回目の祈祷条件の40日目だったので、神様が「養蜂をやってみなさい。」とおっしゃっているサインだと思いました。

 ④『原理講論』の訓読会で定州の話題と定州の石

 月に一度、韓国語で『原理講論』を訓読する集まりがあったのですが、そこでアボジのお生まれになった定州の重要性を確認したことがありました。

 アボジのお父さんが家業で養蜂をなさっていたことと自分が出会った養蜂の情報とを確認し、今、定州に行けない我々でも、定州を思って行動することはできるので、そのためにも養蜂をすることは必須事項ではないかと考えるようになったのです。

 その後、自宅に定州に関するみ言があるかもしれないと、部屋の中をいろいろ探してみました。残念ながらみ言はなかったのですが、代わりに「定州の石」というものが見つかり、たいへん驚きました。この石は今も大切に祭壇に置いてあります。

 そして、実際に養蜂をするにはどうするのかを調べていくと、日本ミツバチの養蜂が、西洋ミツバチよりコストがかからないことがわかり、日本ミツバチなら週末養蜂で管理ができ、西洋ミツバチより手間がかからないで対応できることが分かったので、そのやり方で養蜂をやってみることにしました。

以上が養蜂を始めるようになったきっかけと経緯です。

(2)自然界におけるミツバチの存在意義

1940年代にアインシュタインは、「ミツバチが地球上から消えると、人間にはわずか4年の寿命しか残されていないでしょう。ミツバチが姿を消すと、食物連鎖が破綻し、我々の食糧生産に深刻な影響を与えることでしょう」と言いました。

80年も前にアインシュタインが言ってたことですが、今これをみんなで考えることができます。

実際に世界ではミツバチは減少していて、1990年代からミツバチが減っていることも発表されています。(日本での減少報告は今のところありません。)

(専門家によると、あと100年でミツバチが絶滅すると言われています。)

 

ミツバチは農業や受粉において大変重要な役割があります。

世界人類の食べる約70%の農作物はミツバチが関係しています。実際に私たちの食料の60%はミツバチがいないと食べられません。

もしミツバチがいなかったら、スーパーに並ぶ食料は消える可能性もあります。70億の人間の食糧を作るのは大変難しくなります。

牛が食べる牧草はミツバチが受粉してくれます。羊もヤギもその植物を食べています。植物がミツバチに受粉してもらえないとそれを食べる動物たちが絶滅していきます。

それによって僕たちの食糧、乳製品、肉などが食べれなくなります。
(ちなみに豚と鶏は大丈夫だと言われています。)

他にもミツバチの受粉が減ると綿も消えます。綿で作られているものは、皆さんもご存知だと思いますが、綿の生産に頼っている国は、経済的に苦しくなります。

ミツバチの関係する植物がなくなれば、ビタミンが減り、栄養失調の子供たちも増えます。現在の科学文明では、ミツバチの減少により、人類が滅亡すると言う事はないと考えたいですが、世界的な食糧問題に発展することでしょう。

(3)養蜂の実際

 1 ミツバチの巣箱と夏の扇風活動

 日本ミツバチの巣箱群


 西洋ミツバチの巣箱群
 

 2 ミツバチの給水活動

 3 はちみつの採取から製品化、販売

(4)養蜂を通して私が学んだこと

 1 文鮮明先生はミツバチを通して原理を発見された?

文鮮明先生の自叙伝にはこのような記述があります。

 

これを読むと、文鮮明先生は、ミツバチの生態についてかなりお詳しいのではないかと思われます。

 2 雄蜂の存在は真の種を象徴

 ①分蜂について

 ミツバチは春になると分蜂が発生します。普通一群に一匹存在する女王蜂ですが、春になると、女王蜂が数匹発生し、発生する度に一群の一定数が、新しい女王蜂と一緒に新居を求めて、引っ越しをすることを言います。1群だったものが、2つ3つ4つと群が分かれて行きます。
 春先になるとよくテレビで、蜂の大群が発生し、家の軒や木の枝など、1箇所に集まり、蜂の塊、蜂球が発生しましたというニュースが流れてくる時がありますが、あれが分蜂です。
 一般的にミツバチの生体を知らないと、蜂が大量に発生して危険な状況である、と思われそうですが、そんな事もなく、一定の時間が過ぎれば、(新居を見つけて)どこかへ1群ごと飛んでいってしまいます。

 ②交尾飛行と雄蜂

 分蜂を無事終えて新居を確保出来た1群の女王バチは、しばらくして、交尾飛行に出かけます。交尾は5匹程度の雄蜂と行い、この一回の交尾飛行で1年に必要な精子を確保すると言われます。
 交尾飛行で交尾を終えた雄蜂は、その交尾後にすぐに死を迎え、地上に落下し、短い生涯が終わります。

 雄蜂はもともと染色体が半分しかなく、雄蜂の役目は、分蜂の時、女王蜂と交尾するためだけに存在します。分蜂を迎えるその日まで、雄蜂は巣の中で何もしません。エサは働きバチに運んでもらいます。

 ミツバチの雄蜂は英語でドローンといいます。偵察機で有名なドローンと同じ単語です。雄蜂は蜜を作らず、巣の中で何もしないため、怠け者という意味があり、どちらかというとネガティブな意味がついています。一般的に養蜂家も、無駄に発生する雄蜂、何もしない雄蜂、のイメージが強いです。

 ③「種」としての雄蜂

 実は、雄蜂は未受精卵から生まれてきます。半数体といって、遺伝子(の乗っている染色体)を半分しか持っていません。生まれてくる雄蜂は遺伝子の全てを母親である女王蜂から受け継いでいるため、一種の単為生殖と考えていいでしょう。
 これに対して、受精卵から生まれるのがメスです。メス=働き蜂には父親がいますが、雄蜂には父親がいません。 受精させない半数体がオスになり、受精させた二倍体がメスになるこのような性決定の仕組みを、半倍数性といいます。
 雄蜂は次の世代に遺伝子を残すためだけに生まれ、巣作りや子育て、えさの調達や巣の警備など、全ての作業はメスの働き蜂により行われます。女王蜂は働きバチと雄蜂を時期により体の中で産み分けします。

 ちなみにアリの世界もこのミツバチの生態と全く同じで、卵を産むだけの女王アリが存在し、交尾飛行の時に交尾をするためだけに存在するオスアリがいます。オスアリは半数体です。

 雄蜂がこの半数体である事が、「種」であるという象徴的な現れであり、メシヤは真の種を持って来る方である、というみ言に通ずるところがあります。

 雄蜂と言えば、交尾の時にしか登場せず、巣の中も、ある一定の面積を閉めて雄蜂の発生する場所があり、養蜂家にとっては蜜も作らない厄介者のようなイメージを持っている養蜂家も多々いるようです。

 真の父が女性代表を生み変えて真の母とし真の種を宿す原理がミツバチの生態そのものに見えます。


 3 女王蜂は真の母を象徴

 一般的に女王蜂と言う単語を出すと、どこかの女王さまが、その権威を振りかざし、言うことを聞かないと、いつでもこの毒針で殺してしまうぞ的なそういう意味合いがあるように思われます。これを動機として作られた映画やテレビドラマも、今までの時代多々あったかなと思います。女王蜂と言う単語を聞くたびごとにそういうネガティブなことを感じるように、歴史の中で作り上げられてしまったイメージだと思います。
 確かに、蜂の世界は、1匹の女王蜂のもとに、何万匹もいる働きバチがいることで初めて成り立っているそういう生態を持っている昆虫にはなりますが、ミツバチの社会は、女王蜂が決めているのではなく、その時々の事柄は働きバチが決めているというのが実際のところです。女王蜂には決定権がないと言う状況です。

 例えば、いつ分蜂するか、どのくらい分蜂するか、女王蜂を何匹作るか、このようなことを働きバチが決めていると言われます。
 最近でさえ、人体の研究の最先端では、各臓器と臓器同士が連絡をしあいながら、体の良いパフォーマンスを保つために連絡しあっていると言うそういう研究報告がありますが、そういったものにこのミツバチの社会構造も似ていると言えると思います。

 女王蜂を通して生み出された働き蜂はすべてメスで、真の母の胎中で生み変えられるべき全世界の女性を象徴しています。

 蜂群の逃居、消滅は、真の母が使命を果たせない場合、消えてしまうことを象徴しているように思います。

 新しい分蜂は、別の女性を立ててでも神が摂理を延長、継続されることを現しているようです。

 4 熱殺蜂球(ねっさつほうきゅう)について

最近時々日本ミツバチの生態の放送がテレビでありますが、そこで時折、熱殺蜂球についての紹介があります。

熱殺蜂球と言うのは、日本ミツバチを襲いに来たスズメバチを自分たちがスズメバチを取り囲んで、球をつくり、羽を震わせて体温を上げ、スズメバチを熱で焼き殺すというものになります。

ニホンミツバチのつくる蜂球の内部は47~48度にもなり、オオスズメバチの致死温度は45度なので熱で死んでしまいます。

ニホンミツバチは致死温度が50度近くと高く、最初にオオスズメバチと対面してかみ殺される十数匹以外は生き残る形です。

これは日本ミツバチに与えられた遺伝情報であり、西洋ミツバチにはこの遺伝情報がないので、西洋ミツバチをやる人にとっては、このスズメバチ対策というのをやらないと、たった1匹のスズメバチでその1群が全てやられてしまうと言うことになります。

熱殺蜂球をする時、誰が先頭に立ってその蜂球を作りに行くかと言うと、その群の中で寿命がもう少しで終わっていくであろう、そういう仲間が先頭切ってスズメバチにくらいついていくということです。

いつでもミツバチの社会は、そのミツバチの社会でリスクが最低限の状況で問題を越えていけるように全体が動いていると言う、そういう社会構造があるというのが学べます。

まとめ

 養蜂に関するみ言にミツバチと種に関するみ言は語られていないようです。このことを通して、養蜂を手がけてみて、終わりの日に、信徒がミツバチを通して種の大切さを学ぶという天の意図があるように思いました。信徒たちが養蜂を手がけることで自ら悟るように残しておいてくださったのかもしれません。

 ミツバチの社会構造や雄蜂、女王蜂、働きバチの特性や役割を通して、私たちは改めて学ぶべきことがあるのではないでしょうか。

 文鮮明先生がお生まれになった当時、北朝鮮、特に平安北道で養蜂事業が盛んだったことにも、大きな意味があると思います。

 

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