【原語で『原理講論』を読むプロジェクト活動報告】
※【原語で『原理講論』を読むプロジェクト】の詳細はこちら
https://unification-principle.com/category/upmcproject/hangleproject/
先日、【原語で『原理講論』を読むプロジェクト】として、第2回目の韓国語『原理講論』訓読会を行いました。
訓読したみ言の中で、もう少し原文に近い日本語にしたほうが良いかもしれないと思われる箇所をピックアップしてみました。
現在の日本語訳と韓国語原文の直訳文とを比べて、意味やニュアンスの違いなどに注目してみてください。
■第2回韓国語『原理講論』訓読会
日付:2019年6月20日
場所:東京日暮里にある某会議室にて
訓読:韓国語『原理講論』本文p15~30(総序~創造原理)
■今回の訓読で確認した日本語『原理講論』の修正検討箇所一覧
(1)日本語『原理講論』p35の8行目
【日本語】
完全無欠であるはずの神が、いったいどうして堕落の可能性のある人間を創造され、全知全能の神が、彼らが堕落するということを知っていながら、どうしてそれを食い止めることができなかったのか。また神はなぜその創造の権能によって、一時に罪悪人間を救うことができないのであろうか等々、実に、長い歴史の期間を通じて思索する人々の心を悩ませてきたあらゆる問題が、完全に解かれなければならないのである。
【韓国語】
완전완미하신 하나님이 어찌하여 타락될 가능성이 있는 인간을 창조하셨고, 전지전능하신 하나님께서 그들이 타락되는 것을 아시면서도 그것을 막을 수 없었던 이유는 어디에 있었으며, 더 나아가서 하나님은 왜 그 창조의 권능을 가지고 일시에 죄악인간을 구원하지 못하시는가 하는 것 등, 실로 오랜 역사의 기간을 두고 깊이 생각하는 사람들의 마음을 괴롭혀 온 모든 문제들을 완전히 풀어 줄 수 있어야 한다.
【韓国語原文の直訳】
完全無欠であられる神が、どうして堕落する可能性がある人間を創造され、全知全能であられる神が、彼らが堕落することをご存知でいながらも、それを食い止めることができなかった理由はどこにあったのであり、さらに神はなぜその創造の権能をもって一時に罪悪人間を救うことがおできにならないのかなど、実に、長い歴史の期間にわたって、深く考える人々の心を悩ませてきたあらゆる諸問題を、完全に解いてくれなければならないのである。
(2)日本語『原理講論』p37の1行目
【日本語】
事実、イエス以後二〇〇〇年にわたるキリスト教の歴史の期間を通じて、イエスの十字架の血によって完全に赦罪することができたと自負してきた信徒たちの数は、数え尽くせないほど多かった。
【韓国語】
사실상 예수 이후 2천년 기독교 역사의 기간을 두고, 예수님의 십자가의 피로써 완전히 사죄함을 받았다고 자부하는 신도들이 그 얼마나 많았던가?
【韓国語原文の直訳】
事実上、イエス以後二〇〇〇年のキリスト教歴史の期間を通じて、イエスの十字架の血によって完全に赦罪を受けたと自負するその信徒たちがどれほど多かっただろうか。
(3)日本語『原理講論』p37の2行目
【日本語】
しかし実際には、罪のない個人も、罪のない家庭も、罪のない社会も、一度たりとも存在したことはなかったのである。のみならず、先に論じたように、年月がたつに従って、キリストの精神は次第に衰微状態に陥っていくということが事実であるなら、今まで我々が信じてきた十字架の代贖と、完全なる贖罪との間に、結果として現れた事実の面で不一致があるというこの矛盾を、いったい何によって、またいかに合理的に説明することができようか等々、我々を窮地に追いこむ難問題が、数多く横たわっているのである。
【韓国語】
그러나 실제에 있어서 죄 없는 개인이나 가정이나 사회를 이루어 본 일은 한 번도 없었을 뿐 아니라, 위에서 이미 논한 바와 같이 날이 가고 해가 거듭할수록 기독정신은 점점 쇠미해 가고 있는 것이 사실일진대, 지금까지 우리가 믿어 온 바 십자가 대속의 완전 속죄와, 그 결과적 사실의 불일치에서 초래되는 모순을 무엇으로써 어떻게 합리화할 것인가 하는 것 등 우리를 궁지에 빠뜨리고 있는 난문제들이 허다하다.
【韓国語原文の直訳】
しかし実際において、罪のない個人や家庭や社会をなし遂げたことは、一度もなかったのみならず、先に論じたように、日がたち、年を重ねるほど、キリスト精神は次第に衰微していくということが事実であるなら、今まで我々が信じてきた十字架代贖の完全贖罪と、その結果的事実の不一致からもたらされる矛盾を、何によって、いかに合理化するのかということなど、我々を窮地に陥れている難問題が数多くある。
(4)日本語『原理講論』p38の5行目
【日本語】
先生は、幾十星霜を、有史以来だれ一人として想像にも及ばなかった蒼茫たる無形世界をさまよい歩きつつ、神のみが記憶し給う血と汗と涙にまみれた苦難の道を歩まれた。
【韓国語】
이분은 수십 성상을 두고 역사 이래 어느 누구도 상상조차 할 수 없었던 창망한 그 무형세계를 헤매시면서 하늘만이 기억하시는 진리 탐구의 피어린 고난의 길을 걸으셨다.
【韓国語原文の直訳】
この方は、幾星霜にもおよび、有史以来、だれも想像すらできなかった蒼茫たるその無形世界をさまよい歩きつつ、天のみが記憶し給う真理探究の血のにじむ苦難の道を歩まれた。
(5)日本語『原理講論』p38の7行目
【日本語】
先生は単身、霊界と肉界の両界にわたる億万のサタンと闘い、勝利されたのである。
【韓国語】
선생은 혈혈단신으로 영계와 육계의 억만 사탄과 싸워 승리하신 것이다.
【韓国語原文の直訳】
先生は独り孤独な身で、霊界と肉界の億万のサタンと闘い、勝利されたのである。
(6)日本語『原理講論』p41の2行目
【日本語】
けれども、今日に至るまで、この問題に対して納得のいく解答を我々に与えてくれた人はまだ一人もいない。それは本来、人間や宇宙がいかに創造されたかという究極の原理を知らなかったからである。
【韓国語】
그러나 아직까지 아무도 이 문제에 대하여 석연한 대답을 해 준 사람이 없었으니, 그것은 본래 인간이나 우주가 어떻게 창조되었는가 하는 구극의 원리를 알지 못하였기 때문이다.
【韓国語原文の直訳】
けれども、いまだに誰もこの問題に対して釈然とした答えを与えてくれた人がいなかったのであるが、それは本来、人間や宇宙がいかに創造されたかという究極の原理を知らなかったからである。
(7)日本語『原理講論』p42の4行目
【日本語】
あたかもすべての作品は、その作者の見えない性禀の実体的展開であるように、被造世界の森羅万象は、それを創造し給うた神の見えない神性の、その実体対象として展開されたものなのである。
【韓国語】
마치 모든 작품은 그 작자의 보이지 않는 성품의 실체적인 전개인 것같이, 피조세계의 삼라만상은 그것을 창조하신 하나님이 그의 보이지 않는 신성을 그의 실체대상으로 전개해 놓으신 것이다.
【韓国語原文の直訳】
あたかもすべての作品は、その作者の見えない性禀の実体的な展開であるように、被造世界の森羅万象は、それを創造し給うた神が、その見えない神性を、その実体対象として展開しておかれたものである。
(8)日本語『原理講論』p43の最後の行
【日本語】
以上の記述によって、我々はすべての存在が、陽性と陰性との二性性相による相対的関係によって存在を保ち得ているという事実を明らかにした。
【韓国語】
우리는 위에서 모든 존재가 양성과 음성의 이성성상으로 인한 상대적 관계에 의하여 존재하고 있다는 사실을 밝혔다.
【韓国語原文の直訳】
我々は、前述のようにすべての存在が、陽性と陰性の二性性相による相対的関係によって存在しているという事実を明らかにした。
(9)日本語『原理講論』p46の8行目
【日本語】
既に述べたように、存在するものはいかなるものでも、陽性と陰性の二性性相の相対的関係によって存在するという事実が明らかにされた。
【韓国語】
우리는 이미 위에서, 존재하는 것은 무엇이든지 양성과 음성의 이성성상의 상대적 관계에 의하여 존재한다는 사실을 밝혔다.
【韓国語原文の直訳】
私たちは、既に、存在するものはいかなるものでも、陽性と陰性の二性性相の相対的関係によって存在するという事実を明らかにした。
(10)日本語『原理講論』p46の後ろから3行目
【日本語】
本来、神の本性相と本形状は、各々本陽性と本陰性の相対的関係をもって現象化するので、神の本陽性と本陰性は、各々本性相と本形状の属性である。
【韓国語】
본래 하나님의 본성상과 본형상은 각각 본양성과 본음성의 상대적 관계를 가지고 있기 때문에, 하나님의 본양성과 본음성은 각각 본성상과 본형상의 속성인 것이다.
【韓国語原文の直訳】
本来、神の本性相と本形状は、各々本陽性と本陰性の相対的関係をもっているので、神の本陽性と本陰性は、各々本性相と本形状の属性である。
(11)日本語『原理講論』p48の後ろから2行目
【日本語】
易学では、宇宙の根本は太極(無極)であり、その太極から陰陽が、陰陽から木火土金水の五行が、五行から万物が生成されたと主張している。
【韓国語】
역학에서는 우주의 근본은 태극이며, 그 태극에서 음양이, 음양에서 금목수화토의 오행이, 그리고 오행에서 만물이 생성되었다고 주장한다.
【韓国語原文の直訳】
易学では、宇宙の根本は太極であり、その太極から陰陽が、陰陽から金木水火土の五行が、そして五行から万物が生成されたと主張する。
※注釈
韓国語原文の「金木水火土」という表現は、中国の歴史書『春秋』の代表的な注釈書の1つ『春秋左氏伝』が初出とされ、韓国ではこちらの並び順が一般的です。
この並び順は、「五時」と「五行相剋説」を組み合わせたものという説があります。
日本では「五行相生説」(ごぎょうそうしょうせつ)の順番が一般的なため、「木火土金水」と表記したのでしょう。
◎「五時」
一年の気候変動である「時」=季節を五行に割り当てるという理論。木=春、火=夏、金=秋、水=冬に割り当てるが土だけは除外。
◎「五行相剋説」(ごぎょうそうこくせつ)水火金木土
木が根を張り土を留める、土が水を塞き止める、水が火を消す、火が金を融かす、金が刃物となり木を伐り倒す、といった要領で、互いに剋しあい畏れあう関係を表す理論。
◎「五行相生説」(ごぎょうそうしょうせつ)木火土金水
木を擦り合わせると火が生じ、火が燃え尽きると土(灰)が生じ、土でできた山からは金が生じ、金が結露して水が生じ、水の潤いによって木が生じる。
(12)日本語『原理講論』p50の3行目
【日本語】
このようなすべての力の根本にある力を、我々は万有原力と呼ぶ。
【韓国語】
이러한 힘의 근본 된 힘을 우리는 만유원력이라고 한다.
【韓国語原文の直訳】
このような力の根本となる力を、我々は万有原力と言う。
■第3回韓国語『原理講論』訓読会の予定日
日付:2019年7月23日
場所:東京日暮里にある某会議室にて
訓読:韓国語『原理講論』本文p31~44(創造原理)
※韓国語『原理講論』は2006年2月20日発行の42刷標準横書きから引用
※日本語『原理講論』は2014年5月30日発行の第5版第1刷から引用
※韓国語原文の直訳文の文責は当ブログ管理者にあり、翻訳に際して使用した辞書は『朝鮮語辞典』(小学館)