はじめに

天基14年天暦1月29日(陽2023年2月19日)、東京新宿の京王プラザホテルに1000名の教会員たちが集うなか、文亨進二代王様御夫妻をお迎えして、天運相続特別礼拝と祝福式が行われました。

会場の外では、前日に印刷所から届いた日本語版『原理原本』の初版が販売され、多くの方々が購入していかれました。

前日に入荷されていなければ、当日の販売はできなかったのですが、これもまた一つの“奇蹟”だったと個人的には感じています。

今回は、『原理原本』の編集から入荷に至るまでの過程で、その舞台裏で起こった出来事についてお伝えします。

 『原理原本』の制作、その舞台裏での出来事

 出版お蔵入りの危機 ‐印刷・製本してくれるところがない!‐

昨年(2022年)8月の時点で『原理原本』の下訳(翻訳の草案)を終え、それから編集作業に入りました。校正、校閲や推敲、読み合わせ確認などを繰り返し行いながら、江利川総会長を中心に出版会議も行っていました。

12月21日に2回目の出版会議を行い、そのときに書籍タイトルや定価、初版印刷部数、印刷所などを決めました。

編集作業が大詰めを迎えると、原稿作成の次に重要なのは印刷所の選定です。いくら原稿ができても、印刷してくれるところがなければ出版できません。

私が出版会議で推薦したのは、光言社時代に印刷を依頼していたU社でした。この印刷所は教会関係の印刷物を多く手掛け、み言集や経典の印刷にも経験があるところです。

出版会議で了承を得て、早速U社に連絡し、私たちの立場や今回の出版の概要を伝え、12月23日にU社で詳細な打ち合わせるをすることになりました。

そして、その打ち合わせの場で、U社の担当者に今回の出版が『原理原本』であること、『原理講論』(大)と同じ装丁で金付け(書籍の天地・小口に金箔を押すこと)すること、納品期日が2月末であることなどを伝えて、およその見積額を出してもらうことでその日は打ち合わせを終えました。

ところが、その3日後の12月26日、U社から断りの連絡が来たのです。U社は今も家庭連合の出版物を印刷していますが、断りの理由は、家庭連合と関係上、統一聖殿の印刷物は請け負えないということでした。

打ち合わせの段階では見積もりを出すということで話が進んでいましたが、そのあとに社内会議をした結果、この案件は請け負えないという結論になったそうです。

U社から印刷を断られたことで、このままでは『原理原本』の出版が頓挫するかもしれないという大変な事態になったわけです。これが2022年末のことでした。

 試練の40日間(2022年12月26日~2023年2月3日)

これから印刷所を探すとなると容易なことではありません。旧統一教会バッシングが起こっている状況で、教会関係の書籍を印刷するのは、その印刷所にとってもリスクがあります。

また、もし請け負ってくれたとしても、その印刷所がこちらが希望する経費や納期でやってくれるかどうか、また聖書並みのしっかりした製本ができるかどうかも未知数です。

しかも、年末でどこも休みに入ってくるので、探すにしても年明けからになり、ますます時間がなくなってしまいます。ですから、3月に発売することも見通しが立たなくなり、このままでは出版することすらできないかもれないという状況になったしまったわけです。

このように現実は絶望的な状況でしたが、U社が断りの連絡をしてきた12月26日は、個人的に3万双祝福のときから続けている40日路程の最初の日(第278次40日路程の初日)だったのです。

それで「今回の40日路程(12/26~2/3)はいつも以上に重要な意味がある。もし『原理原本』の出版がハナニムとアボニムのみ意(こころ)なら必ず道がある。必ず成就すると信じ、自分の責任を果たして他の印刷所を探そう」と考えました。

現実的には、原稿も早く完成させなければいけませんし、書籍化するための様々なこと(文字の形やサイズ、ページのレイアウト、表紙デザインなど)も決めなければならないなかで、印刷所も探さなければならないわけですから、2月末入荷、3月から発売という目標はかなり厳しくなっていました。

しかし、考えていても、迷っていても何も解決しないので、原稿の推敲作業を進めながら印刷所を探し、出版会議の方たちにも印刷所関連の情報を送ってもらいました。そうして年明けの仕事始めまでに6~7社の印刷所をリストアップしました。

結論から先に言うと、そのリストの中で年明けすぐに連絡した印刷所がこちらの希望する装丁、経費、納期でやってくれることになったのです。

その印刷所は京都にあり、今までリブフォーで二代王様のみ言集などの印刷を依頼していて、旧統一教会関係の書籍でも問題なく請け負ってくれるところでした。

その印刷所で聖書のような書籍を製本できるのかまったくの未知数でしたが、迷っている時間はなかったので、その印刷所にお願いすることにしました。これが1月初旬のことです。

そして、その印刷所と今後の日程について詳細な打ち合わせをしたところ、2月末に1000部入荷するには、2月3日に降版(編集作業を完了して印刷できる状態にすること)しなければならないということが分かりました。

2月3日は40日路程の最終日です。この日を指定したのは印刷所だったので、やはりこの40日路程はとても重要な期間だと改めて確信しました。

 さらなる課題が!‐金付け有りか、金付け無しか?

そして、さらにその1週間後、二代王様ご夫妻が韓国、日本を訪問され、日本では2月19日に礼拝が行われることが決まりました。

ここで再び天から課題が与えられました。2月19日に『原理原本』を発売できればこれ以上の場はないのですが、今回の印刷は上製本(ハードカバー)に金付けをしなければならないので、通常の印刷よりもいくつか工程が増えて印刷期間が長くなります。

2月19日の礼拝が決まった時点では、金付けなら2月末に1000部入荷、金付けなしなら礼拝前日の2月18日に1000部入荷できそうだという状況でした。

金付けなしで2月19日に発売開始するか、それとも金付けして3月からにするか、もう一度、総会長を初め出版会議の方たちと意見交換をしました。

そして、最終的に1000部すべて金付けで2月末までに入荷するが、そのうち数百部だけでも2月18日に入荷できないか印刷所と交渉することになりました。

今回、印刷・製本を依頼した印刷所(株式会社信天堂)は、実務の面でこちらの相対圏に立ち、かなり配慮して作業を進めてくれていました。

ただ、金付けするのはこの印刷所ではなく、この印刷所から長野県にある別の会社に外注するので、入荷時期を早めるには、そちらの会社の事情も調整しなければなりません。

金付けをする会社では、1日で300部の金付けが限度ということだったので、1000部なら少なくとも4日はかかることになります。しかも、その会社は私たちのためだけにスタンバイしてくれているわけではなく、他の業務もあります。

そういった状況のなか、印刷所が私たちとその金付け会社の仲立ちをして調整してくれたのです。その結果、「100部から300部くらいまでなら何とか18日に入荷できるようにやってみます」ということになりました。

ただ、その日程も2月3日に降版することが大前提です。この日程だけでもかなりタイトな日程です。翻訳者や編集者の立場で本音を言ってしまえば「もっと時間がほしい」となりますが、摂理には時というものがあります。

摂理の時を逃すと天運を失い、その時は二度と戻ってきません。ですから、与えられた時間のなかで最善を尽くし、地上でできることはすべてやりきり、あとは天に委ねるしかありません。

そうして何とか2月3日に降版し、こちらでできることはすべて終えました。印刷所の方からは、「すべての工程がスムーズに行けば、18日に1000部すべて入荷できるかもしれない」と言ってもらえました。

ただし、実際に入荷するまでは安心できません。印刷や製本の段階でトラブルが発生したり、悪天候などで運送がストップしたりすれば、18日に入荷されませんので、祈らざるを得ない心境でした。

しかし、天に守られて2月18日に1000部すべて入荷され、そのままその日にうちに天正宮に奉献され、翌日には会場での販売となったわけです。

 まとめ‐すべてはハナニムとアボニムの導き

振り返ってみれば、すべてハナニムとアボニムが導いてくださり、役事してくださったと言わざるを得ません。なぜなら、もしU社に印刷を依頼してれば、2月18日の1000部入荷は不可能だったからです。

U社との打ち合わせでは、2月末の入荷でもかなり厳しく、「印刷・製本には少なくとも4週間はかかる」と言われていたのです。

ところが、実際に依頼した印刷所(株式会社信天堂)では2週間でやってくれました。しかも、印刷費用もU社より安価だったのです。正にハナニムとアボニムが用意してくださった印刷所だったと思います。

また、2月19日という日は、今から39年前、私が霊の親と出会い、初めてみ言を聞いた日でもあったので、自分自身の個人路程から見ても大きな節目となり、新たに再出発できる機会が与えられたと感じております。ありがとうございました。

아버지 감사합니다!!

 

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https://livefor.thebase.in/items/72042931

 

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