統一主義は新しい文化革命の基礎

 

日付:1983年11月25日
場所:アメリカ・シカゴ、シカゴマリオットホテル
行事:第12回「科学の統一に関する国際会議」

 

 尊敬する議長、議長団ならびに著名な教授各位と紳士淑女の皆様が、第12回「科学の統一に関する国際会議」に参加するためにシカゴにお越しくださったことに対し、深く感謝の意を表します。

 新文化革命は絶対価値に根拠をおいてこそ可能である

 第1回「科学の統一に関する国際会議」以来、本会議は大きく発展してきました。「科学の統一に関する国際会議」の成果は、皆様が、周囲の激しい圧力や迫害をものともせずに成し遂げた、相互協力と献身的な努力の賜物です。皆様の業績とは、全世界で誰も凌駕することのできない会議を「科学の統一に関する国際会議」で創造したことです。私は、皆様のこのような努力と寄与に対し、深い感謝を捧げると同時に、皆様が成し遂げた成果に対してお祝い申し上げる次第です。

 今や世界は、科学と技術の驚くべき発達に伴う急激な変化を体験しています。したがって、社会の既存の価値は根本から揺らいでおり、あらゆる分野で混乱と葛藤を引き起こしています。このような傾向は、次第に高まる無神論的唯物論の影響力によって加速化されてきました。簡潔に言えば、多くの難題が今日の世界を脅かしており、いまだにこのような問題に対する真の解決策を見いだせずにいるのです。

 民主主義や共産主義も、社会悪を清算する方法を提示できずにいることは明らかです。根本的に、民主主義と共産主義は、人類共通の問題を解決しようという欲望から発展しましたが、民主主義は、このような課業に成功できなかっただけでなく、共産主義の破壊活動に対し、それを克服することも、阻止することもできないということが明らかになりました。共産主義は、人類に一層大きな問題を引き起こしました。したがって、世界は苦境に陥るようになり、民主主義と共産主義は、窮地に追い込まれた勝者のいない状況に陥るようになりました。これが、私たちが直面している現実であり、人類の将来は暗鬱で予測不可能に見えるのです。

 それでは、民主主義と共産主義は、なぜ解決策になり得ないのでしょうか。二つの思想を注意深く分析してみると、この二つは、いずれも究極的な意味における真理の核をもっていないのです。民主主義は、政治制度の根幹として貢献しているかもしれませんが、それは決して明確で包括的な世界観ではありません。共産主義は、包括的で体系的な世界観をもってはいますが、それは偽りの仮定と歪曲された事実に根拠を置いています。

 したがって、新しい真理に立脚した運動として、世界と社会に第三の代案が必要です。その代案は、真理と絶対価値に立脚した、完璧で体系的な世界観である「統一思想」、「統一運動」です。新しい文化革命が起きています。私は、すべての学者と専門家の皆様が、この新しい文化の創造に参加してくださることを願う次第です。

 民主主義と共産主義の欠点を知るならば、新文化革命は、絶対価値にのみ根拠を置いてこそ可能であると結論を下すことができます。このような絶対価値は、現状の変化に立脚した相対的な価値であってはいけません。むしろ、このような価値は、不変の世界の原因と結果、神様と人間と宇宙の根本的な関係に立脚した、普遍的で究極的な価値でなければなりません。

 私たちは、このような第三の世界観の発展と現世の問題解決を目的として、「科学の統一に関する国際会議」を始めました。12年前に「科学の統一に関する国際会議」を創設するとき、私は絶対価値を中心テーマとして立てました。絶対価値をテーマとしたのは、変わることのない普遍的価値は、創造世界の本質的な基礎であると考えたからです。

 「科学の統一に関する国際会議」以外にも、全人類が夢見て願ってきた理想社会を建設する、その準備として、様々な会議やプロジェクトを私は創設しました。私が生涯にわたって追求してきた統一運動の目的は、新しい体系的な世界観に立脚した新文化革命を創造することです。私たちの運動は130カ国以上に拡張され、私たちの指導理念である「統一思想」が新しい真理体系として、多数の有識者たちに認められてきています。

 一般的に民主世界では、「統一思想」に対して開放的であり、その潜在力に多大な関心を寄せています。一方、共産世界は統一運動に絶えず敵対し、民主主義体制を、私たちを破壊する道具として利用してきました。共産主義の指導者たちは、私たちを目の敵にし、レバレンド・ムーンに関係するすべてのプロジェクトに反対してきました。「科学の統一に関する国際会議」の組織も例外ではありません。共産主義者たちは、レバレンド・ムーンがこの会議を創設し、常にこの会議を最も重要視していることを知っています。これが正に「科学の統一に関する国際会議」が始まって以来、受けてきた非難と迫害の重要な原因です。

 統一運動に対する共産主義の反対活動

 共産主義は、自由世界を衰えさせるために、あらゆる策略と暴力に明け暮れています。私が統一運動に対する彼らの反対活動を知っているように、皆様も、御自身の国における共産主義者の虚偽宣伝と破壊行為をよく御存じのはずです。私たちはこれ以上、この問題を看過することはできません。したがって私は、すべての自由世界と統一運動に対する共産主義者たちの攻撃の実際に関して、皆様に明らかにお話しできる機会として、今回のこの席を選びました。私は、皆様御自身と学問の自由の保護、そしてすべての自由世界の守護のために、このような事実を知る必要があると思います。

 統一運動の世界的な発展に伴って、共産主義をはじめとした多くの敵対勢力の迫害があり、様々な所で妨害を受けました。私たちの活動が社会にとっては有益なものであるにもかかわらず、反対を受けるのはなぜか、その理由が理解できません。そこで、反対のその実質的な根源を明らかにするために調査しました。きょう私は、統一運動が成功し、非常によく知られている日本で明らかになった事実をお話ししようと思います。私たちの運動だけでなく自由世界を破壊しようとする共産主義の画策が世界の随所で続いているだけに、この情報が、すべての国の国民にとって有益であると私は確信します。私が明らかにする、より詳しい暴露の内容は、まもなく本として出刊される予定であり、その本が皆様に広く読まれることを願う次第です。

 日本もまた、アメリカのように国民の自由を誇りにしています。しかし、その自由のもとでKGB(ソ連国家保安委員会)と日本共産党が、私たちの運動に参加することを決意した人に対して逆宣伝し、自由を破壊していることを知っている人はごく少数です。彼らは、甚だしきは裁判所の協力を受けたこともありました。私たちのこのような調査によって、共産主義者たちが私と統一運動を破壊しようとする陰謀を計画し、うそや事実の歪曲、流言飛語を組織的に吹聴してきたことが、結論として明らかになりました。共産主義者たちは、統一運動を妨害するために、偽りの情報を組織的に流布し、大衆動員を起こして統一戦線を結成し、対立と葛藤、闘争を引き起こしているのです。共産主義者たちは、常にすべての反対者を除去するために、このような状況を助長しています。

 日本共産党は、統一運動を彼らの第一の敵とみなしており、統一運動に対する闘争は、日本の資本主義やアメリカの帝国主義に対する闘争よりも急を要するものであると公式的に宣言しています。

 日本共産党が1978年6月5日から7日にかけて開催した全国指導者会議で、宮本顕治議長は、統一運動を破壊することは「後世の歴史に記録される『聖なる戦い』」であると発表しました。さらに彼は、この歴史的課業を成就するために民主派人士たちに、団結して、すべての努力を傾注することを促しました。日本の共産主義者たちは、数百の団体を動員して私たちに反対してきました。

 私は、人類と神様の究極的理想である地上天国を実現するために統一運動を創設しました。私たちの運動は、すべての人間の努力を傾注して宗教を復興させ、人間を教育する運動です。私たちのような霊的な運動が、異なった関心事や方向を宣言する既成勢力から反対を受けるのは、歴史的に避けられないことでした。宗教運動はみな、その始まりから激しい迫害と敵意を呼び起こしました。このような困難を克服した運動だけが、未来の世代のための主流思想と指導力になることができたのです。ユダヤ教やキリスト教、さらには民主主義と共産主義さえも、このような典型的な例でした。

 共産主義の戦略戦術を克服すべき

 このように、当初からレバレンド・ムーンと統一運動は、宗教の領域だけでなく、政治、経済、文化、科学、技術、言論、教育の領域で、途方もない誤解と非難、迫害と試練に耐えてきました。私たちは一般大衆と為政者から社会全般にわたって、反対と迫害を受けてきました。ある意味では、全世界のすべての人々に、直接、または間接的に統一運動の運命に対して責任があります。しかし、世界的な反対は、特に共産主義者たちによって利用されてきました。共産主義者たちの標的には、いかなるものにも、レバレンド・ムーンの名前がついています。

 これまで、ほとんどの人たちが、統一運動について正しく理解することは非常に困難でした。人々が私たちに関して見聞きすることのほとんどは、反対者たちが数年間、吹聴してきたうそと扇動的な非難でした。統一運動とレバレンド・ムーンに関して、人々が信じやすいのは、ただ単に、昔、捏造された流言飛語の繰り返しにすぎない言葉でした。「うそも100回繰り返せば真実となる」というレーニンの教えに従い、共産主義者たちは人々に確信を与えるために、同じ偽りのうわさを繰り返し続けてきました。例えば、過去12年間、日本共産党は彼らの宣伝機関紙である「赤旗」と彼らの出版物に16億枚の反統一運動の記事を印刷しました。それは日本の国民1人当たり16枚に相当する悪意に満ちた宣伝でした。

 これは私たちの運動を破壊しようとする共産主義者たちの陰謀の中の一つにすぎません。反統一運動の宣伝は、中国、北朝鮮、東ドイツ、ソ連、キューバ、ニカラグア、リビアとその他の国々からも絶えず流れ続けています。このような偽りの宣伝は、公務員、政府指導者、知識人、宗教指導者、言論媒体と一般大衆に浸透しています。そうして、人々が歪曲された内容を数えきれないほど聞くようになり、結局、それが事実であると信じるようになるのです。

 しかし、最も下品で卑しい行為は、統一運動に参加している人に対して非人間的処置を行う、いわゆる「ディプログラミング(脱洗脳)」というものです。それは共産主義者が協力していることは明らかです。人権の擁護者である裁判官と裁判所は、しばしば基本的な宗教の自由の権利を侵害することに協力することがあります。皮肉なことに、その権利の侵害は、人権と宗教の自由を最も声高に叫ぶ国家で発生しているのです。ディプログラミングに使われる方法は、共産主義の政治犯の収容所で施行される方法と同じです。ディプログラマーたちは、少数派宗教の信仰をもつ人を監禁するために、親や親戚を利用して精神病院に委託したりもしました。

 その他の典型的なディプログラミングの手段としては、拉致、不法監禁、暴力、精神的な脅迫、睡眠妨害、アルコールと麻薬使用への誘引、性的誘惑と強姦などが含まれています。このような脅迫と嫌がらせ、手練手管により、職業的ディプログラマーたちは信仰を捨てるように強要します。多くの人々が、このような犯罪行為によって、肉体的にも、精神的にも傷つくようになります。

 私の愛する多くの人々が、その信仰と理想ゆえに苦痛に遭うのを見るときに感じる私の深い悲しみを、皆様は想像すらできないでしょう。信じられないことに、ディプログラマーたちは、自分たちの行っている方法を私たちが使っていると言って非難しています。皆様は、なぜ共産主義者たちがレバレンド・ムーンと統一運動に対して、そのように敵意と恐れを抱いており、なぜ彼らがそのように命懸けで私たちを破壊しようとするのか、不思議に思われるでしょう。

 皆様も御存じのように、共産主義の究極的目的は、無神論的唯物論の旗のもとに、全世界を征服し、共産党独裁を実現することです。実際に、労働価値説、剰余価値説、弁証法的唯物論、史的唯物論のようなマルクス理論は、真理と正反対であり、暴力革命を正当化するために主張されたものです。今まで、共産主義の恐るべき実体を克服できるものが何一つとして存在しませんでした。

 「統一思想」は共産主義を批判し克服する実体的基盤

 しかし、「統一思想」は共産主義の虚構を暴露しています。彼らはこのような事実を知っているので、統一主義を根源的に根絶しようとしているのです。共産主義者たちは、自分たちの正体を暴露するすべてのものに対して恐れを抱いています。

 これまで無知ゆえに数百万の人々が共産主義に利用され、無慈悲に虐殺されてきました。少数の人々だけが勇気をもって戦いましたが、理念と組織の力が弱かったために、彼らは孤立し、弱まり、簡単に敗れました。

 今日、数億の人類が絶望の涙を流しながら、共産主義からの解放を待ち望んでいます。私は、年近くの間、金日成独裁下にある北朝鮮の思想犯収容所で過ごしました。彼らは私をそこに投獄し、命を奪おうとしました。しかし、私は生き残り、結局、国連軍によって自由の身となりました。その時から、私の生涯の使命は、共産主義よりも優れ、共産主義から世界を解放できる絶対的真理をいかにして樹立するか、ということに集中してきました。

 今や、私が目撃したその犯罪の数々に関して、明確に話すことができます。私は、共産主義に対して批判し、闘い、共産主義を克服するための実体的基盤をもっています。

 以上のことから、皆様は、なぜ共産主義者たちがレバレンド・ムーンとその組織を恐れるかということについて理解できるでしょう。共産主義者たちにとって非常に理解し難いのは、なぜレバレンド・ムーンの運動は、あらゆる反対と迫害と中傷にもかかわらず、成功裏に成長し続けているのかということです。例えば、「国際勝共連合」の会員は、日本に350万人以上います。

 第一に、共産主義者たちは、神様が生きておられることと実際に統一運動の背後で神様が働いておられることを悟れずにいます。第二に、彼らは、宗教の真の本質を理解できず、また人間の本心は、ただ神様の真理と愛によってのみ、本当の満足を感じるという事実を理解できずにいます。最後に、彼らは、霊的な世界とこの宇宙を統治する神様の法が、弁証法的唯物論によって動くものではないことを悟れずにいるのです。

 統一運動は、宇宙の根本的真理に基づいた深い宗教的体験と鍛錬によって触発され、裏づけられています。ですから、私たちは世界と人類の本心を動かすことができるのです。統一運動に参加する会員は、許すということを知るようになりました。彼らは、自分を迫害した人々を恨むのではなく、むしろ迫害と試練を霊的成長の糧として受け入れています。簡単に言えば、統一運動の真の会員は、いかなる反対にも屈せずに推進する力と揺らぐことのない信仰をもっています。これは、既に私たちが確固たる世界的基盤を確立したという事実から証明されているのです。

 世界各地に新文化革命の火を燃やそう

 レバレンド・ムーンと統一運動は、神様と人類のための生死をかけた重大な使命を担っています。しかし、この使命は、統一運動の独占物ではありません。この運動の会員たちは、良心的で理想を抱いたすべての人々と共に、新しい文化革命の隊列で働くことを願っています。自由世界の人々、特にキリスト教徒をはじめとした宗教者たちはみな、統一運動の偉大な友とならなければなりません。悲惨にも彼らは、共産主義者たちの戦略に対して無知であり、友と敵とを区別することができませんでした。結果的に彼らは、たびたび自分の真の友を攻撃し、破壊してきました。

 しかし、最近の状況は変わりつつあります。人々は共産主義の不義と威嚇に対し、憤慨するようになりました。最近の事件は、共産主義者たちが初めから使ってきた戦略と戦術を明確に暴露しています。自由世界と宗教の未来に関して、より一層憂慮するようになった良心的な学者、経済人、宗教指導者が、統一主義の普遍的な旗のもとに集まり始めました。また人々は、道徳的退廃と闘うその力と共産主義に対抗するその潜在力のゆえに、統一理念に魅力を感じるようになりました。

 今日、皆様は、私と共同の運命に直面しています。共産主義から学問世界を保護し、歴史がこの時代の私たちに与えた課題を成し遂げるために共に働きましょう。私と統一運動の会員たちは、この実に困難な課題にぶつかることを決意しました。全世界の学者たちは、きょうから各分野で指導力をもつために合流しましょう。共産主義者側では、マルクス主義の学者たちが、学生とキャンパス活動を指導することによって指導力を行使しています。彼らは労働階級および少数民族の組織者たちと提携し、究極的には人間の真の幸福を破壊することになる途方もない理念的、社会的戦線を構築しました。したがって私たちは、教授と学生の責任ある協力を通し、組織的で社会的な基盤を、一刻も早く確立しなければなりません。

 私は、この悪の世界では、正義を擁護する人が、何らかの実質的基盤をもてなければ簡単に除去されることを骨身にしみて悟らされました。したがって、学者と学生の連合戦線とともに、キリスト教徒をはじめとしたすべての宗教の信仰者たちは、共に働かなければなりません。このような、歴史で最も重要な時代に生きている私たちは、生死の岐路に立たされています。私は、皆様が大志を抱いた義の学者、教育者として、世界に実質的で建設的な変化を起こすことを熱望しています。人生のすべての領域を包容する、統一された戦線で共に働きましょう。そして、歴史の頂点に立って、世界の各地に新文化革命の火を燃やしましょう。

 神様のあふれんばかりの恩賜が皆様の国と皆様の御家庭、そして皆様と共にあることを願います。神様がこの第12回「科学の統一に関する国際会議」総会における皆様の討論を、お導きくださることをお祈りします。ありがとうございました。

 

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