人間の体には、目には見えないけれど確かに働いている仕組みがあります。それがホルモンです。愛するとき、悲しむとき、眠るとき、恐れを感じるとき――私たちの心の動きのすべてに、ホルモンは静かに関与しています。
このシリーズ「聖書とホルモンの働き」は、現代医学が解き明かしたホルモンの働きを、聖書の言葉と重ね合わせて読み解く、全8回の連続記事です。
第1回では、愛情ホルモンと呼ばれるオキシトシンとバソプレシンを取り上げます。「二人は一体となる」という創世記の言葉が、なぜ単なる比喩ではないのかを、夫婦・親子・共同体の絆という観点から考えます。
第1.5回は、男女の性差を形づくるテストステロンとエストロゲンを扱い、神が人を男と女に造られた意味を、ホルモンの相互補完という視点から照らし出します。
第2回のテーマは「血はいのち」(レビ記17章)です。血液がホルモンを全身に運ぶ「命の川」であることを確認しながら、贖いの血とキリストの血が持つ霊的な意味へと深めていきます。
第3回は、箴言の「心の楽しみは良い薬である」という言葉を出発点に、セロトニンとドーパミンが喜びと癒しにどう関わるかを探ります。
第4回は、アドレナリンとコルチゾールが引き起こす恐れとストレスの問題です。「思い煩うな」「恐れるな」という聖書の勧めが、現代科学の知見と深く通じ合うことを示します。
第5回は涙とエンドルフィンの関係を扱い、「涙とともに種を蒔く者は、喜び叫びながら刈り取る」という詩篇の言葉を、癒しの生理学と結びつけて考えます。
第6回では、眠りを導くホルモンであるメラトニンと、「主はその愛する者に眠りをお与えになる」という詩篇の約束が重なり合います。昼と夜のリズム、安息日の意味、信仰と安眠の深い関係が浮かび上がります。
第7回は香りとフェロモンを題材に、「キリストのかぐわしい香り」(Ⅱコリント2章)という表現が持つ、見えない力の霊的・生理的な意味を探ります。
最終回となる第8回は、ヨハネ第一の手紙が語る「御霊と水と血の一致」を手がかりに、シリーズ全体を総括します。
ホルモンは血と水を媒体として心身を整え、御霊はその全体を導く――霊と肉が分かちがたく結びついた人間の深い真理が、ここに収斂します。
信仰と科学は対立するものではありません。神が造られた世界は、霊においても肉においても、美しい秩序と調和のうちに成り立っています。このシリーズが、聖書のみ言を新鮮な目で読み直す一助となれば幸いです。

