聖書の創世記は、天地創造の場面をこのような言葉で始めています。
はじめに神は天と地とを創造された。地は形なく、むなしく、やみが淵のおもてにあり、神の霊が水のおもてをおおっていた。神は「光あれ」と言われた。すると光があった。(創世記1章1〜3節・口語訳)。
世界の始まりに「水」があり、そこに「光」が注がれた。この記述は単なる詩的表現ではなく、現代科学の最前線における発見と、驚くべき形で呼応しています。
アメリカ・ワシントン大学のジェラルド・ポラック博士は、水には固体・液体・気体という三相に加えて、第四の状態が存在すると主張しています。それが「排除帯水(EZ水)」と呼ばれる特殊な相です。
水が光(特に赤外線)を受けると、分子が秩序だったゲル状の構造を形成し、電位差を生み出してエネルギーを蓄える――これが「第四の水の相」の本質です。
ポラック博士はワシントン大学の正規教授として査読誌にこの研究を発表していますが、その生理的意義については現在も議論が続いており、科学界における検証はこれからの課題でもあります。
本シリーズ「聖書と『第四の水の相』」は、全7回にわたって、この理論と聖書の記述を重ね合わせながら、水が生命環境を整える役割を多角的に探っています。
第1回では「第四の水の相」の概念を紹介し、創世記の「光と水」との対応を論じます。
第2回では砂漠を取り上げ、水が欠けた環境がいかに過酷になるかを示します。
第3回では沿岸部と内陸部の気候差を通して、水の比熱とエネルギー保持の働きを考察します。
第4回では森林と草原を比較し、蒸散という水の働きが気候を安定させるメカニズムを探ります。
第5回では氷河と雪原に焦点を当て、アルベド効果と融解熱という水の二つの側面を論じます。
第6回では温泉と地熱水を取り上げ、地球内部のエネルギーを地表へ運ぶ水の役割を考えます。
そして第7回では、五つの自然現象を総括し、創世記の「水と光」というテーマが自然界全体に息づいていることを示します。
砂漠の昼夜の温度差も、森林の涼しさも、氷河の白い輝きも、温泉の温もりも――すべては、水が光やエネルギーを受けて秩序を生み出すという、一つの原理の表れです。そしてイエスはこう言われました。
しかし、わたしが与える水を飲む者は、いつまでも、かわくことがないばかりか、わたしが与える水は、その人のうちで泉となり、永遠の命に至る水が、わきあがるであろう」。(ヨハネ4章14節・口語訳)。
科学が水の神秘を解き明かすとき、それは同時に、霊的な渇きを潤す「生ける水」へと私たちを誘うのかもしれません。
本シリーズが、聖書と科学の対話を通して、創造の神秘に触れる一助となれば幸いです。

